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その人は、とても不思議な人だった。
膝元まで伸びた白に限りなく近しい小麦色の髪。海の浅瀬にも似た色の瞳。
柔和な笑みは親しみを感じさせるが、奥まで踏み込めない「線」を感じる。
そして、
男のようにも女のようにも見える。
二十代に見えるが、五十代と言われても納得してしまえる。
肌の色素は奥まで透けて見えそうなくらい薄く、まるで幽霊のようでもあった。
ヒトを捨てたのか、あるいはヒトという枠組みを超えてしまったのか。
人非ざる者――ゆえにこの世で最も魔法使いに近しい存在。
それがハーディティティ・クー。
「あの坊やが魔法使いのトップになっているなんて驚いたよ」
ハーデティティの口調は快活というわけではない。低く無表情に、ぼそぼそとしゃべる。だけどそれが超然とした彼の雰囲気に合っていて、魅力的だった。
「だよねー、ボクも驚いたよ。ルーン語を何度も読み間違えてたあのアンディがサ」
「そうだね。前に氷の魔法を唱えようとして炎を出して」
「小屋一つ燃やしちゃったよねー。すごかったー」
珍品ぞろいのアクセサリー店主と、俗世から身を切り離した風変わりな魔法使いが、昔話に花を咲かせている。
どうやら意外なところに接点があったらしい。
しかし、アイリスは思う。
五十代間近のアンドリューを“坊や”と呼ぶこの人たちって――いくつなの?
【ゲストキャラクター】
ハーデティティ・クー(Hardytitty Coo)
creator: こいしるつこさん




