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アイリスは、公園のベンチに腰を落ち着けていた。すっかり気力が萎びている。
頭に大きな鉛が埋まっていて、うまく思考ができなかった。
そういえば土着信仰においては魂は頭に宿ると言われている。故にヒトは頭で思考するのだと。“頭を悩ませる”“頭を抱える”といった言葉があるのはその証だ。
では胸が痛むのは何故だ?
この胸の苦しみは何なの?
茨で締め付けられているようなこの感覚は――魂が頭に宿るというのなら、胸に宿っているのは、いったい何?
少年を助けたという実績を残せた。
だけど騎士として残ったのは「あいつは人の命令を聞かない」という証言だけだ。
胸を押さえ、鉛が埋まった頭で考える。
こう思わずにはいられなかった。
「どうしてもっとうまくできなかったんだ」
アイリスはぞっとする。
私は喋ってない。




