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助けた給士――オルタ・ファーガソンはハーフエルフだった。
エルフとヒトの合いの子。一言で表すなら“禁忌の子”
おおらかな気風のティルナノーグでそういった差別意識は紙のように薄い。
だから今回少年が苦しんだ原因は――店長の人格だ。
あいつは仕事ができないと罵られ、ましてやそれを誰もが信じられていると知った時の絶望が分かるか?
落とした財布を拾われたと思ったら、目の前で中身をぶちまけられて拾えと言われた時の怒りが分かるか?
仕事のミスを全部押し付けられて、何も言えない歯痒さが分かるか? 朝起きるたびに憂鬱になる気持ちが、分かるのか?
アイリスが彼を見かけたのは、道具屋で縄を買っていた時だ。
手足の細い少年が、過酷な世界を生きる冒険者の集まる店で何を買っているのか? 最初は興味本位だった。それで話しかけたのだ。
だけど興味は不安へと変わる。
少年は馬を引っ張る縄を買いに来たと言っていて――嘘をついているとすぐに分かった。
そして確信したのだ。
あの縄は馬を引くためのものではない。
自分の首を括る縄なのだと。




