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ルチアの身に降りかかった事件。それは1週間ほど前に遡る。
というのも、突如としてベルという女が現れ、シリルを夢中にさせたのだ。シリルは彼女にべったりとなり、欠かさず訪れていたはずのルチアの元へ一切足を運ばなくなった。
最初はただ…ただ、彼がベルという女を可哀想に思っているだけだと、そう言い聞かせていた。しかし、彼らは日に日に距離を縮めていき、いつしか2人きりで部屋から出て来なくなった。
ルチアがシリルに声を掛けたとしても向けられるのは冷たい視線だけで、無視するようにしてベルと共に過ごす時間を大切にするシリル。
ルチアにとってはあのシリルに裏切られたということが酷くショックであり、暫く伏せっていたのだ。
(どうして、こんなことになったの…)
周囲にも良くない噂が流れており、事態を重く受け止めたウォルターがシリルと話をしに言った際も、「まるで別人のようだった」とシリルのことを話していた。
そう…シリルは誰にとっても本当に理解できない人になってしまったのである。
ルチアはロニーが置いて行った手紙を手に取ると、中を開く。中には彼からの手紙と、ルチアとロニー、そしてシリルとウォルターで楽しく過ごしていた日々の絵が描かれていた。
ぽつぽつとそんな絵に涙が落ちていき、嗚咽が止まらなくなる。その場に泣き崩れたルチアは、ロニーの絵を大切に胸に抱えながらも決心することにする。
(あの人に、もう一度向き合いましょう)
その日の夜、ルチアは決心すると亡き腫れた顔を化粧で隠して、輝かしいティアラを頭に乗せる。シリルから受け取ったティアラが、自分に勇気をくれる気がしていたのだった。




