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「ルチア様、少しだけお部屋に入ってもいいですか?」
いつしか小さかったロニーは健やかに成長し、この国を継ぐに相応しい成長を遂げていた。変わらずルチアの元には新しい命がやってくることはなかったものの、ルチアやシリルをまるで家族のようにして振舞ってくれたロニー。
しかし、その日のルチアは部屋の前で聞こえるロニーの言葉に返事をすることはなかった。困ったような部屋付きのメイドが「奥様が体調が優れないようだから」とロニーに返すものの、ロニーは納得できない様子でルチアの名前を呼ぶ。
「ルチア様、少しだけでもいいんです!もう何日もお顔を見ていないから、だから少しだけでも会えませんか?」
それはロニーの泣きそうな声であり、ルチアは静かに扉の傍まで足を進めた。ただ、それ以上に言葉が出ない。
今、彼にどう接していいかわからなかった。
「また来ます。僕、待ってますから」
ルチアの部屋の扉の下から、そっと折りたたまれた手紙が差し込まれる。そうして、ルチアの部屋の前からは小さな足音が遠のいていくのだった。




