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今更、愛を誓うのですか?  作者: 黒塔
スピンオフ 第2章
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ルチアの気分を映すような厚い雲が覆ったその日、今日は1カ月に1度訪れるミリウスとの顔合わせの日だった。


いつものように一杯の紅茶を飲むだけの時間…のはずが、その日は違った。




「俺は、あの方を選ぶべきだと思う」




それは周囲の使用人たちを人払いした後に告げた、彼からの言葉だった。





「…え?」

「君は俺なんかよりも、あの方に幸せにしてもらう方がいい」




ここ何回もほとんど形式的な挨拶しかしなかった彼が、突然そう告げてきたのである。





「君と隣国の大層なお方との関係を聞いたんだ。俺は君たちの関係を支持したい」

「何を…」



ルチアは驚いてしまい、かたんとティーカップを傾けてしまう。テーブルにゆっくりと紅茶の染みが広がっていく中、ミリウスは話を続けた。



「彼は君の横に並んでも相応しい美男子だ。…俺なんかよりもずっとね。分かるだろう?それに、俺はきっと君を幸せにできないよ」



彼は空っぽになったティーカップを机に置くと、まっすぐにルチアの瞳を見つめてくる。


今までは視線が合わなかった彼と、今日初めて視線を交わすことになった。




「これは俺からの願いでもある。こんな酷い男ではなく、君に優しくしてくれたあの方を選んで欲しい」




彼がそう頭を下げて告げる言葉に、ルチアは何も言葉が出なかった。


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