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「はは、随分派手な登場だな」
「ディーナ…?」
応接間らしき部屋にいたのはラジェイア公爵とジュール、そしてその後ろに控える赤子を抱いたハワードの姿だった。
「…っ!ディーナ、血が!!」
驚いたように声を上げて近づいてきたのはジュールであり、彼はディーナを抱きあげるとラジェイア公爵に医者がいるかと聞く。しかし、ディーナはこのままでは部屋を追い出されてしまいそうな気がして、ジュールの腕を強く掴んだ。
「待って、私の子の話をしようとしているなら、私もここに居させて!」
「いや、でも…ディーナ、君は子供を生んだばかりで、無理をできる状態じゃないはずだ。今だってこんなにも血が…」
そう告げるジュールの手が少し震えていることに気付いて、ディーナは彼を心配させているんだと理解する。だた、その瞬間にディーナは自分の胸が一気に満たされたことに気付いた。
こんなことを思うなんてきっと性格が悪いんだろうと思う。けれど、いつだって何も考えず自分勝手で、他の女にまで浮気して…そんなジュールが、自分のことを思って胸を苦しそうにする姿が本当に嬉しく思ってしまうのだ。
(本当に…私はどうしてこんな人を好きになってしまったのだろう)
そんな中、一連の事情を見ていたラジェイア公爵が口を開いた。
「まぁ、いいだろ。実際に俺たちも本題に入る前だったし、少し遅れたって構わない。ついでに少しぐずってるこっちの子は、寝かせてやってからの方が話を邪魔されなくていいだろうな」
ディーナはラジェイア公爵の言葉に、この部屋にはハワードが抱く赤子の他に、ソファに隠れるようにしてもう1人の赤子がいたのだと気付く。
ぐずぐずと今にも泣きだしそうにしている子と目が合ったディーナは、誰かに教えてもらわなくてもその子がすぐに自分の子だと理解できた。
「あぁ…そこにいたのね」
上の子たちと似た顔つきにジュールと同じ蒼の目を持つその赤子は、ディーナを見ると一気にその場に響くような泣き声で泣きだす。そんな状況にディーナはすぐさまその子を抱きしめることにした。




