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「エルド様の考えが正しかったようですね」
それはディーナの体を診た侯爵家付きの医者にはっきりと告げられた言葉だった。エルドが思い描いていた悪い予感。それがこうして本当に当たることになるなんて、誰も想像していなかった。
「3人目の出産ということなので予定よりも早まる可能性の方が高いと思います。これからは無理せずお過ごしください」
エルドの悪い予感、それは…ディーナのお腹にジュールとの子を妊娠していることだった。上の2人の子供たちのときはつわりを感じたことはなかったことからも、ディーナにとっては自分が妊娠しているなんて考えてもみなかった。
ジュールを追い出す前、いやそれよりもジュールが愛人のベルと出会うもっと前に、確かにディーナはジュールと夜を過ごしている。
自分たちが政略結婚した契約の中には、最低でも3人の子供を生むために夜の関係を持つことが決められていた。それでも、ディーナが出産で生死を彷徨った出来事があってからは、ジュールはなにかと理由を付けてそんな夜伽も避けていたのだが…本当にたまたま最後の行為がこの子に繋がったわけだ。
「…自分の体のことなのに気付かないものね」
ディーナはそう告げ、お腹に手を当てる。夫のジュールが不在の中、この子の存在は侯爵家にとってどれほどの影響力を持つことになるのだろう。
今はまだ大きな不安がディーナに渦巻いていた。




