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「もう、裏切られたくないの」
それは自分でも予想外な台詞だった。
ルチアは自然と漏れた自分の言葉に驚いたが、そんなルチアの体をシリルが強い力で抱く。暫くお互いに言葉は出ない中だったものの、ルチアは酷く心の中がぐちゃぐちゃになるのを感じながらもシリルに手にしていた短剣を渡した。
「信じていいのね?」
「あぁ、必ず。俺が全て終わらせるから」
そう告げたシリルが扉を開けると、中からは湿っぽいカビの香りとともにむせ返る様な花の香りがしていた。頭ががんがんと痛むほどに強烈なその匂いに、シリルもルチアも顔をしかめることになる。
シリルは迷わずそんな空間へと足を踏み入れた。
ルチアは扉が閉まっていくのをただ静かに眺めながら、彼が無事に戻ってくるのを祈るのだった。




