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今更、愛を誓うのですか?  作者: 黒塔
スピンオフ 第7章
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先に北部に向かったシリルを追いかけるようにして、ルチアはその日、王宮を出る準備をしていた。



「今日で最後なんですね」



そんな中、ルチアに声をかけてきたのは、寂しそうな表情をするロニーだった。その後ろにウォルターが控えており、2人ともわざわざ見送りに来てくれたようだった。



「会えなくなるなんて寂しいです」

「私もよ。…いっぱいお手紙を書くわね」



ルチアはロニーに視線を合わせると、そのまま彼の体を抱きしめる。すると、ロニーはウォルターには聞こえないように耳元で「ルチア様は僕にとって母の様な存在でした」と囁いた。



自分が生まれるのと同時に母親を亡くしたロニー。その後は先王妃にずっと厳しい躾を受けてきて、彼も1人で苦しんできたはずなのだ。



「ロニー…」

「僕、もっともっと成長します。そうして、ルチア様にカッコいいところを見せたいんです」



ルチアは以前よりもずっと大人びたロニーの姿を見て、嬉しくなると思うのと同時に罪悪感を感じる。


そうでなくとも、ロニーは既にルチアが今までしてきた仕事を引き継ぐようにして、国政に関わっているのである。ルチアが無理を行ってシリルの元へと行くことができたのも、誰よりもロニーが背中を押してくれたからだった。



(でも、私が本当にロニーの母親だったら、きっとロニーのことを優先していたわ。シリルを捨てて、ロニーがもっと子供らしく生きられる環境を作ってあげたいと思うもの)



だからきっと…シリルを捨てることが出来ずにいる自分は、ロニーの母親としては相応しくない。



ルチアはそんな言葉を今は胸の中に隠すことにするのだった。




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