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「くそっ…駄目だ、姉さん!!」
下手に動けば傷つけてしまうことから、デリックはどうしようも出来ずに困惑した様子だった。ルチアは彼の優しさに罪悪感が募るものの、力を弱めることが出来ない。
このまま彼の剣で殺されてもいいと思えるほど、この世に未練なんてなかった。
「姉さん、嫌だ…俺は…!!」
…そんな中、突如としてこちらに向かってくるような足音が聞こえた。
ルチアが足音に気を取られたことに気付いて、デリックはすぐさまルチアから剣を奪って距離を取る。それでいて、デリックはルチアを守るようにして扉へと向き合った。
今日はデリックが屋敷の使用人たちに休みを出したはずで、ルチアが国を秘密裏に逃げてここに来たことに関してもまだ誰にも知られていない…はずだった。
そんなこの屋敷に一体、誰が足を踏み入れるというのか。
足音は扉の前で止まると、その後、少し遠慮がちに扉がノックされる。
「えーっと…心中でもしようとしてた?」
そうして、どこか困惑したような言葉と共に顔を覗かせたのは、懐かしい人物だった。




