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今更、愛を誓うのですか?  作者: 黒塔
スピンオフ 閑話
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-5




「ルチア様…あの…」



ロニーは喉元まで出かけた言葉を、本当に口にしていいのかわからなくて飲み込んでしまう。



”もし、僕があの女を殺したら…”



実際にロニーは小剣を握りしめており、今日は瞳の痛みに耐えながらもあの部屋を訪れるつもりだった。いっそのこと、自分があの女に夢中になったふりをしてもいい。そうして隙が出来たところで、あの女の胸にナイフを突き刺してやればいいのだ。


そうすれば…そうすればきっと、シリルだって正気に戻るはずだろう。



(ルチア様が手を汚さなくても、俺が全部背負えばいい。そう決心したはずなのに…)



先王妃が消えて、ルチアとシリル共に過ごした日々は本当に幸せだった。幼い頃に母を亡くして、父も国王としての立場があって忙しい日々を過ごしていた。先王妃からは毎日厳しい教育ばかりで、体も痛めつけられて本当に辛い日々だったのだ。



(そんな自分に、初めて出来た大切な人たちだから…)







そんな中、突如としてルチアの背後に1人の男性が現れる。ロニーにとっては初対面の人物だったもののルチアとよく似た顔からもハッとする。



「姉さん」

「あら、デリック。思ったよりも早かったわね」



彼の正体はきっと、最近隣国で様々な噂を耳にするようになったラジェイア公爵家の当主であるデリックだろう。ルチアを姉に持ち、彼女と同じ美しい顔を持つ人物。


彼は鋭い視線をロニーに向けると、まるでルチアを隠すようにして自身の大きなマントを広げて自身の腕の中に引き入れた。




「ロニー安心して、あの魔女は私がきちんと殺してあげるわ。貴方は陛下と共にこの国をきちんと守ってあげてね」



そんな中で告げられたのは、まるでルチアからの別れを告げるような言葉だった。



慌ててルチアを引き止めようと一歩足を進めたロニーだったが、気付けばデリウスの持つ小さなナイフがロニーの顔の側にあった。鋭い音とともに、ロニーの髪を巻き込んだナイフは後ろの壁に刺さっている。




「姉さん、早く行こう」

「えぇ、最後に顔が見れて良かったわロニー」

「っ、待ってください!!」




ロニーは自分の髪を無理やりむしるようにしてなんとか体を自由にしたものの、目を離した隙に2人の姿は消えているのだった。





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