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あのこと…。それは、先王妃がルチアに密かに飲ませていた避妊薬についてのことだった。
ロニーの件で先王妃が捕らえられた際、先王妃に関して新たに発覚したのは”気に食わないルチアを追い出すために、長い間ずっと避妊薬をこっそりお茶に混ぜて飲ませていた”という事実だった。
医者から5年以上も避妊薬を飲み続けていたルチアの体は、今後の妊娠にも影響があるとの診断を聞かされ、シリルは酷く取り乱して先王妃に襲い掛かったとも話に聞いている。噂によれば先王妃はもう二度と自由に動けない体になったと話を聞いたが、ロニーは詳しくは知らなかった。先王妃とはもう会うことはないと聞いており、ロニーにとっても良い思い出がない人だからだ。
ただ、この事実はシリルの強い希望もあってルチアには隠されている。
(あのころのシリル様は、ルチア様を守るためにいつだって必死だったのに…)
「本当に、あの女が現れてからなにもかも最悪だ」
ロニーのそんな言葉に、ウォルターも静かに頷くのだった。




