-1 ロニー視点
ロニーは周囲で聞こえる、ルチアへの悪い噂に悩んでいた。
ルチアは子を成せないのにも関わらず、夫のシリルが側妃に迎えようとしている美しいベルに嫌がらせを続けているらしい。
いつしか父の元へは、次々とルチアを追い出すそうとする人々が集まるようになった。
「あの女はベル様にまた毒を盛ろうとしたのですよ!!あんな女は相応しくない!」
「愛らしく美しいベル様の方が、この国を支えていく上で相応しい女性なのです!」
まるでなにかに憑りつかれたかのように、そう平気で口にする男たち。以前は国政に携わっていた頼れる存在だった者たちすら、ベルに夢中になってからはこんなおかしなことばかり口にしていた。
「シリルの元に嫁いだルチアは王族に嫁いだものとして、今まで慈善活動から寄付活動まで素晴らしい活動を続けてきた。彼女の聡明さが他国との交流に繋がった例もある。それに比べてお前たちはどうだ?1人の女に夢中になり政務を放棄したお前たちに代わって、全ての仕事を引き受けているのは彼女だ。シリルだけでなく、おかしくなっているのはお前たちの方なのだよ」
今日もまたウォルターはベルに夢中になった男たちにそう告げ、地下牢へと送るよう命令する。何かの術のせいなのか、彼らは2-3日閉じ込めておくだけで正気へと戻った。
ただし…ベルに近づくとまた、憑りつかれたようにして夢中になってしまうのが厄介な部分でもある。




