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第八話

 祖母から七人との出会いと今に至るまでを聞き終えてから一つの疑問を聞いてみる。

「そう言えば、一昨年の夏休み、遊びに来た時に会わなかったよ。その前の年もそうだったし」

 去年の夏休みはアルバイトに専念して祖父母の家を訪ねることはなかったが中学、高校の夏休みはこの家へ来ても姉妹七人とは全く会っていない。

「それはね、会わせて良いか、判断に悩んだからよ。大登が来ている時には、他所で泊まって貰ったりしていたの」

 確かにジョージ一世の時代から生きていると言われても信じられないし、話を聞いた今でも大登はまだほとんど信じられない状態だ。

 祖母の話も聞き終えたし、そろそろ寝ようと少し腰を浮かせたところで祖母が「今さらだけど、挨拶したら」と七人に促した。

 まずは藍良と青良、その瞳の色が藍か青か、じっと見ないと判別が付かないが、それ以外は一卵性双生児故か、本当にそっくりである。二人の黒髪は本当に綺麗なのだが、時々、光の当たり具合によっては微妙に青みがかっているようにも見えたりする。年齢は二十一歳らしい。藍良がアマーリアで姉になり、青良がアマーリエで妹になる。

 三女の橙子はその名の通り、オレンジ色の瞳だが、視力が悪いらしく眼鏡が必須なようだ。髪は奇麗な栗色をしていて本名はマリアンナで二十歳らしい。

 四女の本名はコンスタンツェ、瞳は金色、その金髪は天然のウェーブだか、巻き毛だか、微妙な髪質である。

 祖母から黄華という日本名を貰ってはいるが、エリザベスという名前を以前の勤め先で貰って大切にしていることから黄華=エリザベスとして併用している。年齢は本人曰く十八歳らしい。

 五女のフローレンス=緑香は緑の瞳で藍良、青良と同じように綺麗な黒髪であるが、藍良や青良のように光の当たり具合で髪が青や緑に見えることはない。

 本名はフローラだが、フローレンスという名は黄華の例とは違い、自分で付けている。年齢は十六歳らしい。

 六女は赤毛の茜、瞳は紅玉を思わせるとても綺麗な赤である。年齢は十四歳らしい。

 七女は紫の瞳を持つ菫、黄華の金髪に対抗するかのような銀髪の持ち主である。年齢は十三歳らしい。


 七人の日本名、漢字の名前は日本での生活が始まってから祖母が呼びやすいと言う理由で付けたらしく、使っているのは祖父母だけであった。

「それじゃ、お休みなさい」

 話も終わったので大登は祖母と七人へ挨拶して割り当てられている部屋へ向かおうとする。

「大登、明日の朝はゆっくり寝ていていいわよ」

「はぁい」

 大登は軽く返事をしつつ、階段を昇っていく。

「私たちも寝ましょうか」

 祖母は七人にも部屋へ戻るよう促した。


 大登は布団に入ってからふと思った。

 青良、藍良、橙子、黄華、緑香までは二文字なのに茜と菫は一字である。

 何故だろう?

 自分なら菫は菫子と名付けるかもしれない。

 茜はどうするだろうか?

 満腹なのと暖房で部屋が暖かくなっているからいつの間にか眠っていた。

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