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ハンナと先生 草原の国へ行く  作者: マツノポンティ さくら


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8/11

第8話 競馬場にて

一時間くらい運転して、私たちは競馬場に着きました。

トラックにはハルだけでなく、志願(しがん)した動物がたくさん乗り込んでいました。サクラやモモはもちろん、アヒルのアレクサンダーや、ブタのイノセントも一緒です。

メティスは「私はあまり競走には興味がありませんねえ」と、留守番を選びました。


競馬場に着くとハルは早速辺りを散策しはじめました。

駐車場から競馬場のスタンドまでのエリアは、本当はウマがいるようなところではないのですが、なんせここは競馬場なので、多少驚いた顔をする人はいても、誰一人係員に通報したりはしません。

むしろ「おんまさんだあ」と近づいてくる子どももいたりしたので、私たちはウマがいるがが当たり前のように振る舞いました。そうすると案外(あんがい)誰も気にしないようで、ウマ以外の動物たちがいても「何かのイベントかな?」と思ってもらえたようです。


「先生、ここにはウマはいませんね」

と、ハルが言いました。

「そりゃあそうだよ。みんな建物の中で出番を待っているからね」

「ふ~ん、そうなんですね。ではそちらへ行ってみましょうよ」

というわけで、私たちはスタンドの方へ歩いて行きました。そしてまずパドックと呼ばれるエリアに向かいました。


「なんというかヘンテコな場所ですねえ」

ハルはパドックを見てそう感想を述べました。

パドックというのは、競馬場の隣にある小さな楕円(だえん)形の場所で、出走前のウマの様子を見ることができます。

間もなく出走するウマが順番に出てきて、ポクポク歩きながらその様子を観客に見せています。

大抵(たいてい)のウマは人に先導されてゆっくり歩いていきますが、中には暴れ回って周囲(しゅうい)の人を困らせているウマもいました。


「ずいぶん気が立っていますね」

「まあこれからレースをしようというウマだからね」

「しかしあれでレースになるんですか?」

「うん、だからそういうウマにはお金を賭けないようにする。たまにはああいったウマが最終的にレースに勝つということもあるかもしないが、まあそうでないことの方が多いんだろうね」

「へえー、賭け」


ハルは再び興味深そうにパドックを歩くウマを眺めていました。ただすぐに飽きたようで、私に声をかけてきました。

「ハンナ、実際にレースをするところはどこなの?」

「え? 私も初めてだから分からないけど、この建物に入っていけば、その向こう側にレースのコースがあると思うよ。多分この建物が観客席、のはず」

振り返るとサクラやモモたちは、まだパドックのところにいました。

事前にしっかりと予習をしてきたアレクサンダーは、先生から強引にもらった千円札をくちばしにくわえながら、パドックを歩くウマに見入っています。アヒルは馬券を買えるのかしら?

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