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ハンナと先生 草原の国へ行く  作者: マツノポンティ さくら


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第5話 先生の答え

先生はしばらく何か考えている様子でした。

「ハル、少し質問してもいいかな?」

「もちろんです。なんなりと」


先生はハルがどうやってここまで来たのか、なぜハルが使いとして選ばれたのか尋ねました。

ハルによると、大陸の広い広い草原を横断し、海を泳いで渡り、私たちが住む国までやってきたということでした。

「私が選ばれたのは、それは当然というか、私が草原の誰よりも足が速く、しかも泳ぎが得意で、それに与えられた任務(にんむ)に忠実(ちゅうじつ)で、途中で道草を食ったりしないと、みんなから認められているからでしょうね」

「ハルさんは草原で一番速い馬なの?」

と私は尋ねました。

「ハルと呼んでください。まあ絶対に一番とは言えないかもしれません。草原には足の速い馬がいっぱいいますからね。けど草原の国では年に1回大レ-ス大会があるのですが、わたしは1回だけ優勝したことがあります」

優勝という言葉を聞いて、周りにいた動物たちもおぉっとどよめきました。


「ハル、さっき言っていた病気がはやり始めたのはいつ頃か覚えているかい? 動物の言葉が禁じられる前かい?」

先生がまた質問しました。

「いえ、後(あと)です。ただ病気が目に見えてはやり始めたのは今年に入ってからです。動物の言葉が話せなくなったのはもう2年も前のことですが」

先生はしばらく何も言わずに考えているようでした。

ハルは我慢できなくなって、再び先生にお願いしました。

「ジョン先生、お願いします。どうか草原にお越しいただき、皆を治していただけないでしょうか?」

先生はゆっくりと口を開きました。

「私の心は決まっているよ。行こう。病気の原因が何なのかは分からない。けれど自分の言葉を話すのを禁じるのは許されないことだ」

ハルの目がぱっと輝き、ヒヒーーンといななきました。その声を聞いてびっくりし、ひっくり返る動物もいました。

「ハル、落ち着いて。いくら私の病院とはいえ、ウマまで飼い始めたのかと思われたら、周りの人を困惑(こんわく)させてしまう」

「失礼しました。つい嬉しくて」

とハルは謝りました。

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