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死の舞踏会と見える嘘④さだめじゃ!


「 よう、ブリジット!」


セルジュが嬉しそうに声をかけてを上げあいさつをする。


「セルジュ。あなたもいたのね」


 セルジュが頷き、遺体にちょうど隠れるくらいの布を掛けた。


フィンが話し合いから帰ってきた。


「関係者は別室でいてもらってるから。とりあえず関係者以外かえすわ。

セルジュとブリジットはヘルガさんの状況を確認して」


 フィンが指示を出す。


「そうですね。詳しい死因は検視医ですが状況確認しましょう。では行きましょう」


 セルジュが従いブリジットに声をかけた。


 セルジュとフィンが当然のようにブリジットを人員として数える。


「当然のように数えられているのね、ははは」


ブリジットは諦めたように笑う。



 私も帰ってもいいんですよ。ただの令嬢ですし。しっかり頭数に入れなくても私気にしてませんよ。


 一応、ブリジットはフィンに自分が混ざることがいいのか確認した。 


「フィン、私も捜査に加わっていいんですか?」 


「うん!今回もよろしく」


フィンが親指を立てた。


「今回もよろしくお願いしますわ」


 セルジュが気安く頼んでくる。


 ブリジットは肩を落とし乾いた笑いを出した。


「ははは…善処します。けれど、期待はなさらないでね」



やっぱり捜査に加わるんですね…もうさだめみたいなもんですね。



 フィンが関係者以外を会場から追い出した。


 改めて、ブリジットとセルジュはヘルガの遺体を確認した。ヘルガは肌におしろいをぬり白い肌をしておりシミは見当たらない。


「これ見ろよ」


セルジュがヘルガの左頬を指差した。白くぬられた肌の頬にひっかいたような傷があった。


「この傷、古いものじゃないな」


「この位置的に誰かに叩かれてついたみたいですね」


「ああ、ヘルガがなんらかのトラブルでついた可能性が高い。ここ数日の行動も確認しないとな」


「あらっ。この傷は今回の舞踏会でついた傷ですよ」


「なぜそう思う?」


「もし舞踏会以前についたのなら化粧で完璧に隠します。無理なら装飾で視線を逸らすホクロをかくやチャームポイントみたいに顔に傷をいかした模様を描きます。それらが今回全てがない」


「ということは、舞踏会についた傷だな」


 セルジュが口笛を吹く。


「さすがだな。そしてこの頬が怪我させた犯人は右利きだな」


「そうですね。右利きは大半がそうですから絞れそうにないですね」


「だな。フィンの聴取で何かわかればいいけど。それにしてもすごい頭だな。頭に戦艦か…」


セルジュは感心したように息を吐く。


「セットに五時間かかったらしいですよ。そのせいかあまり乱れてないですね」


「五時間?!女の美の執念ってすごいな」


 セルジュはヘルガの頭部を覗きこんだ。


「…乱れてないな」


「……乱れていない?こんな状況なのに」


  セルジュがヘルガの頭を指差す。


「接着がしっかりされている。均一にぬらているし、これはプロの仕事だな。腕がいい」


「理髪師、よっぽどお気に入りみたいですよ。この舞踏会にも連れてきてますから」


  セルジュが相槌をうつ。


「ふーん」


セルジュは軽く肩をすくめ、それから何気なく言った。


「そういえば、ブリジットは盛り上げにしないんだな。若い女性や流行りに敏感な女性は大概盛り上げだろ?」


「ええ。結い上げで十分かと」


「ブリジットらしいわ」


セルジュが安心したように笑う。ブリジットも曖昧に笑う。ブリジットねはこめかみが少しぴくりと動いた。



どういう意味?若くないみたいな言い方ね。


 フィンがアレクを連れて戻ってきた。


「関係者を別室にいるよ。ブリジット聞いて!すごい情報があるんだ」


 フィンが興奮して声が大きくなる。


「今回の関係者は四人なんだけど、四人も知ってるんだ!」


「それはそれは…顔が広いですね」


「もう!違うよ。四人とも初対面だよ。四人ともあの庭にいたんだ!!」


「へ?」


 フィンが声をひそめる。


「庭で見たあの男たちの恋愛と痴話喧嘩を起こした人たちなんだ」


ブリジットもつられて声をひそめる。


「それは、被害者の周りでトラブルがあったってことですか?」


「そうだよ!別室に行く道中で彼らの情報伝えるね」


「了解しました。セルジュ何か不審なことあれば教えてください」


  セルジュは「了解了解。じゃあ任せたわ」と面白がるように手を振った。


 廊下を歩きながら、フィンは簡潔に説明した。


「関係者は別室に集めてある。

今回の被害者はヘルガ・バウマン。関係者は四人。

二人は家族で旦那でオットー・バウマン。息子の

フレッツ・バウマン。

残り二人はアドリアン。ヘルガのお抱えの理髪師」


「アドリアン?」


 ブリジットは聞き慣れた名前に聞き返す。


「知り合い?有名なの?」


「どちらにしてもええです。有名ですし、舞踏会で話しました」


「へー。有名なんだ。残り一人はマーガレット・ナイトレイ。ヘルガと今回の舞踏会で諍いがあった」

 

「諍い?」


「詳しくは本人に聞くけど、庭で俺が見た痴話喧嘩してた一人。マーガレットはフレッツの恋人。フレッツと喧嘩していた」


「ほう、それは興味深いですね」


ブリジットは興味を持った。



 この中に犯人はいるのだろうか。


 

 いいえ。

 ワインの毒でないことを知っている者。すでに一人、嘘をついている者がいる。



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