第8話 カレカノ
「いやぁ〜リーンたちには助かったよ〜!ありがとね!」
「俺の活躍どうだった?!凄かっただろう?!」
「…カイラは穴に落ちてただけでなにもしてないわね。」
「そうだね」
「うわぁーんハイラトまでぇ…」
魔王から2番目に遠いサバタ村。
私は人型キャーロとかいうモンスターに騙されて最悪食べられるところだった。
色々あったが、サバタ村は楽しかった。
そして次に来た所は…
〜ニセバ町〜
「うひょー!ここは賑わってるねぇー!」
様々な種族が居る街。ニセバ町。リハラ街よりも人が多く、地球のファンタジーであればここが首都になりそうだ。
「ここに来てなにかするのかしら?もう見たなら次のむら行くわよ。」
「よーし!まずは宿屋探しだー!」
「ちょ、ちょっと待って!」
呼び止めるリーンの声。
「どうしたの?」
「サバタ村ではウルカミの宿あったけど、ここから先は知り合い居ないのよ?毎日宿屋に泊まるゴールドなんて無いわ!」
確かに装備を備えた時にゴールドはほとんどなかった。
「じゃあ街でクエストしながら過ごすか!」
「そうだね!じゃあ早速クエストボードにレッツゴー!」
〜クエストボード前〜
「んー…なにか楽なクエストないからなあ」
「そんな簡単なクエストなんてある訳ないじゃない。まぁ楽だったらそれにこしたことないけど。」
クエストを探そうとしても、依頼が多すぎてなんのクエストがあるのか全く分からない。
「あ!こんなクエストどう?」
「『娘の相談を受けてください』…か。報酬もはずんでるし聞くだけならいいクエストだね!じゃあこのクエストにしよう!」
〜依頼人の家〜
ピンポーン…
「すみませーん。依頼をやらせていただきたくて来たのですがー」
「あ、冒険者の方ですか?わざわざ家まですみません…。」
ドアから出てきた女性はとても美人のおっとりした女性だった。
あーあ。私も依頼人さんみたいに可愛ければよかったよになー。
「さあさあ、中にお入りください。」
「お邪魔します。」
家の中はとても綺麗で豪華。どうやらお金持ちみたいだ。
「で、今回の依頼の娘さんは…?」
「部屋にいます。案内しますね。」
「ズズナ〜?冒険者さんが来たよ〜?」
出てきたのは美人さんだった。娘さんはもう大学生だという。
「それでは私はこれで失礼します。」
依頼人は娘さんの部屋の案内をしてすぐにどこかへ行ってしまった。
「で、相談って何?」
相談を受けるのはリーンと私のみ。
女性の悩みなので男性がいると話しずらいと思って追い出した。
「あの、私、彼氏がいたんです。」
「彼氏がいたって事は元彼?」
「そうなるのですかね。私自身は分からないのですが…」
「私自身でも分からない?それはどういうことだろう?」
「はい。私の彼氏は高校1年生の時に同じクラスで知り合いました。彼氏はとても優しい性格で、私はその優しさと強さに惹かれました。そして高校2年生の時告白して付き合いました。最初の3、4ヶ月はとてもラブラブで、周りからはバカップルだ〜!って言われているほどでした。ですが…」
その言葉を境に黙り込んで泣いてしまった。
「あ…無理して話さなくていいよ?話せるだけでいいから!」
「いえ、大丈夫です。
さっきの続きですけど、最近冷たくない?ってよくいわれるやうになったんです。」
「冷たくかぁ…。じゃあもうその元彼さんのことはすきじゃないってこと?」
「ちょ、リーン!?」
「そんなことありません!」
大声で放ったその言葉。
とても綺麗で、だけど重い声だった。
今にも崩れ落ちそうな、でも、強い瞳で、彼女は言った。
「私は、優しくて、強いあの人がとても大好きなんです!その気持ちが揺らいだことなんて1度もありません!いくら冷たいと言われようとも、好きなものは好きなんです!私はあの人と一緒に人生を歩みたい…。ずっとそう誓ってたんです!」
「じゃあなんで元彼かどうか分からないの?」
「…自然消滅してるのかもって思ってるからです。」
…自然消滅。
カップル界では、未練が一番残りやすい別れ方。
それでどれだけ傷つくか計り知れない。
「あの人、突然性格が激変したんです。」
「激変?」
「…すごくかまちょするようになりました。」
「それっていつから?」
「冷たいって言い始めた頃からですね」
うん…。これは彼女自身の愛情表現に問題があるな。
「あのね、正直男が女に構ってほしいなんておかしいとは思うよ。性格激変したと思うよ?だけどさ、スズナちゃんも変わってるわけじゃん?ほら、その、愛情表現のしかたが…」
「私は変えた覚えはありません!」
あちゃー…。無意識に変えてしまった系か…。
「だから私、浮気してるんじゃないかと思ったんです。なので、調査したんです。…いなかったんです。」
浮気じゃなくて愛情表現かえて欲しいっていうサインだよと言いたかったが、言える隙が見当たらない…。
「というかさ、別れよって言われたことないんでしょ?」
「言われました。でもその時は、嘘だよって言ってました。」
「…それ以降何も無いんだよね?」
「彼女欲しいとかモテたいとか言い始めました。それで最終的にはタイムラオンにまで…」
…ただのクズ男じゃねーか!
「スズナちゃん。もうその男諦めたほうがいいと思うよ?新しい恋みつけなよ?」
「そんなの嫌です。諦めません!いつか性格が元に戻ってくれることを信じて心では恋人としてい続けます!」
し、しぶとい…。
これはお母さんも依頼にだすわけだ。
「そ、そっか。じゃあちょっと真実を聞きに彼氏さんの家で聞いてくるよ。」
〜スズナの彼氏(?)の家〜
ピーピー…
「すみませーん」
…。
ピーピー…
「すみませーん!どなたがいらっしゃいませんかー?」
…。
「…留守なのかな?」
「そ、そうかもね」
留守だと思い帰ろうとした時
「あら、タカマタの友達かしら?」
容姿ではとても可愛い女性が私たちを不思議に見た。
「あ、すみません急に…。あの、タカマタ?さんの彼女さんの件でお伺いしたいことがありまして…」
「タカマタに?なら案内しますね」
「この部屋がタカマタの部屋です。それではごゆっくりどうぞ〜」
カチャ…
「ん?お前らは誰だ?」
私たちが入った途端タカマタは身構えて威嚇のように鋭い目で見た。
まぁ知らない人が急に来たら誰でも身構えるだろう。
「あ、すみません。あなたの彼女さん、スズナさんについてお聞きしたいことがありまして。」
「あ、あぁ。僕の彼女がどうかしたか?」
「そ、その、スズナさんのお母さんの依頼を今受けていて、タカマタさんはスズナさんのことが好きかどうか聞きたいのですが。」
「好きも何も僕はスズナと結婚するつもりだ!スズナは一体何を言っているんだ!」
タカマタは怒りながら、かつ、淋しくいった。
「わ、私もそういったのですが、なかなかしぶとくて…」
「スズナ…」




