第6話 移動
パカラッパカラッ…
私たちはリーンが盗ってきた馬車に乗って王都へ向かっていた。
「街の外って空気が澄んでいるね」
「まぁ街の外は何も工事してないからね。それに、地球みたいに車があるわけじゃないし」
「地球?前も言っていたがどこだ?そんな名前聞いたことないぞ。」
それは当たり前だろう。「異世界」なのだから。
「それよりもさ…僕、色んな街を見てみたい!」
「リハラ街以外の街か…たしかに行ってみたいな」
「じゃあ全ての街隅々まで見に行ってやろうぜ!」
「は…はあ?!」
リーン以外の仲間は全員賛成してたが、リーンはどうしても早く魔王の城に向かいたいらしく…
「行ったって無駄よ!あんなどうでもいい街!」
「…1番近い街なに?」
「おい聞けよ!」
頭に血が昇ったのか知らないが、リーンを無視して近くの街にを探し始めた。
「近い街は…サバタ村かな?」
「そうだね。」
「じゃあ早速行ってみよー!」
「だから話を聞けー!」
〜サバタ村〜
「ふぅ…。やっと着いた。…てか、リーンは大丈夫か?」
馬車に乗ってるうちによったらしく、腹を押さえてしゃがんでいた。
「もう…無理…。オエ…」
「ここで吐くなよ!」
リーンは、車酔いに耐えられず、嘔吐してしまった。
まさか…リーンがこんなに車酔いに疎いとは…。
「…と、とりあえず宿屋探そ!」
「そ、そうだな!そこならいくらでも吐けるし!」
ハイラトとカイラは、引きながらも話す。
「ちょ、引かない…オエ…」
どうしよう。初めての街(村)で吐かれちゃったよ…。
これどうしようもないよ…
「宿屋よりも吐いたやつを…」
「プリフィケーションウォーター!」
吐いたやつを始末しようとしたら、誰かが魔法を唱え、浄化されて水になった。
「え?え?」
浄化をしたのはハイラトだった。
そういえばプリーストだったっけ。
プリーストって魂だけじゃなく嘔吐物も浄化できるんだ…
「さあ!これから宿屋を探しましょう!」
「い…今お前プリフィケーション使ったよな?」
「そうだけど?さあさぁ、早く探そ!」
「プリフィケーションって汚染物質を自分で…」
「そんなのまだ信じてるの?そんなことはない…から…。」
今にも死にそうな顔で声を小さくしながら言う。
どうやら言ってることは合っているようだ。
しかし、私は分からなかった。
ー数分後…。
私たちは宿屋を見つけた。
しかし…
「今日は休業日?!有り得ないよ!宿屋っていつでも24時間営業じゃないの?!」
「地球にあるコンビニと一緒にしないでちょうだいよ。それに、今地球のコンビニは24時間営業じゃないわよ。」
「えっ?!私死んで4日しか経ってないよ!それにニュースを毎日見てたけどそんなの聞いてなかった!というかなんでリーンが知ってるのさ!」
「だって私は仮にも神様よ?地球の事なんてお見通しだわ。」
ハイラトとカイラの前で堂々と神様というリーン。
それを聞くとしょうもないなと呆れたようにリカイとリーンの喧嘩を見守っていた。
「それ言ったら私だって神様のはずよ!その修行かなと思ったら異世界に連れてこられてファンタジーキャラになれたとはいえ一生モンスターとか現れないよとか言っておきながら結局次の日魔王が復活してモンスターもうじうじと出てきてそれが起きたからって…」
「リカイ。そんな事言ってたら日が暮れるしこの話もリカイの愚痴で終わるぞ。」
「「邪魔者は引っ込んでて!」」
「う…もう知らない!」
珍しく冷静に割り込んで来たカイラだったが、2人がハモって言うもんだから拗ねてどこかに行ってしまった。
「ちょ…お兄ちゃん!」
ハイラトはリーンたちを気にしつつもカイラを追いかけて行った。
「しかし、宿屋が休みということは今日は野宿か。仕方ないな。」
カイラたちがいなくなった途端に冷静になり、そんなことを言った
「どこかに泊めてもらえないか?」
「うーん…。」
考えていると、背後に気配を感じた。
「やぁ!久しぶりだね〜!」
背後にいた人物は、ウルカミだった。
「最後会ってから2日しか経ってないよね…。」
「そちらのお二人さん!宿屋をお探しかい?なら、この券を持っていくがいい!」
ウルカミは、厨二病に目覚めたらしく、厨二な口調で言った。
「…4枚?よくメンバーが4人だってわかったわね。」
「まあ…親友です…から…。」
だんだん声が小さくなっていた。
そういう事か。ウルカミはリーンの後をついて来てたのか。
そうでなければ会ったこともないハイラトたちの分まで分かるわけがない。
「しかし、どこの宿屋?」
「いいえ、宿屋じゃないわ、珍しく気が利くわね。ウルカミの家に泊まる許可をもらってるなんて。」
「ウ…ウルカミの家?!この村にウルカミの家があるの?!」
「そうだがなにか?」
「いえなんでもありません」
ウルカミの厨二病になっても腹黒は変わらなかったようだ。
「まぁ泊めてくれるのは神だからハイラトたちを探してくるね!」
「あ、連絡取れるようにこれ持ってって」
私は、ハイラトとカイラを探しにカイラが向かった方向に行った。
〜深い森〜
カイラたちが行った方向に行くと、森につながっていた。
「カイラ〜!ハイラト〜!どこ行ったの〜?」
何度も叫んで言ってみるも、何も言ってこない。
「もう…どこまで行ってるのよ…」
・・・。
どこまで歩いただろうか。
険しい道がずっと続いている。
「わぁー!」
ハイラトの声だった。
これ急展開過ぎないかと思ったが、険しいため早歩きで行った。
険しい道を抜けるとそこには大きな泉があった。
そこに居たのはハイラトとカイラ。
そして…モンスターだった。
「も、モンスターだー!」
「あ…」
叫んでしまったばかりにモンスターが気づき、向かってきた。
やばいやばい…
私はどうしたら…
「バックソウル!!」
「グワァァァア…」
ハイラトの魔法で、さっきのモンスターは消えた。
というかあれは死神だったんだなと思った。
「よく見抜けたね」
「まぁ死神かどうかは気配でわかるからね」
…プリーストすげえ。
「とにかく、早くリーンと合流しないと結構私たちやばいよ。この森なんか危険そうだし…。」
ここは死神もがいる森だ。ハイラトがいるとしてもさすがに危ない。
「えー。もうちょっと探索しようぜ!死神はハイラトが倒してくれるさ!」
「え、えっと…ま、任せなさい?」
カイラの言葉に戸惑いながらも答えるハイラト。
「いくらなんでもこの森は危険だし、ハイラトも戸惑ってるから帰ろうよ…。」
その時だった。
「あ!ここに人間がいます!」
「捕らえろ!」
背後がとられ、上半身を拘束されてしまった。
「ちょ!なにするの!」
「おい離…ッ!」
視界が急に暗くなった。
おそらく、なにか被せられたのだろう
必死に抵抗するが、なかなか取れない。
まぁ私みたいな貧弱魔法使いは当たり前といえば当たり前ではあるが。
そのまま連れ去られていった。




