第5話 装備を揃えよう
「よし。王都に行きましょう。」
「「「…は?」」」
リーンが唐突に放った言葉にリカイたちはハモった。
「なんのために?」
「魔王討伐のため。」
「…いつ私が魔王討伐しようなんて言ったっけ?」
「私が倒したいから」
はあ…。めんどくさい。というか王都までどれだけの距離があるんだろう…。
そう考えるだけで嫌気がさす。
「ほら、みんなも準備して!馬車も用意してあるんだから。」
そんな素振りなかったけど…。
リーンの行動力の速さは計り知れない。
「おー!やっと田舎から抜け出せる!」
「い、田舎?ここ十分都会な感じが…」
ー価値観は真逆よ。ー
「…ってことはここ地球じゃ都会?!」
「どこから納得したのか分からないけど、ここはこの世界では都会よ。」
始まりの街でもあるリハラ街。魔王の城から1番離れており、魔王が定期的に来る事がないため、1番栄えているのだという。
「じゃあ、今から装備整えて置いた方がいいんじゃない?ちょうどゴールド沢山あるし。」
「リカイの所持ゴールド130000、私のゴールド500000か。分担しても高級な装備は買えるな。なら、防具屋と武器や寄って買ってから移動しよう。」
リーンはなぜそんなにゴールドがあったのだろうとおもったが、その前に1つ。防具屋に行くにあたって。
「…あの防具屋はやめてよ。」
〜防具屋〜
「へいいらっしゃい!今日は何にします?」
「私たちの防具を買おうと思ってね。高級なのでよろしく。」
「(…結局前と同じ防具屋に来てるじゃねぇか…。)」
「自由に見て言ってくだせえな」
「…あれ?前よりも露出物ない…。」
「リカイちゃんごめんね。露出防具キャンペーンはもう終わったんだよ。」
あれは完全なる私たちのせいだったのか…。
というか防具屋の店主の趣味でやったキャンペーンだと思うんだけど…。
「いえいえ、初めて来た時よりもすごく変わってて驚いただけですよ。気にしないでください。」
気を取り直して、見てみる。
シンプルな防具からとてもかっこいい防具まで様々な職業用の防具があった。
「うひょー!なんてかっこいい防具なんだ!これ買います!絶対!」
「じゃあ200000ね」
「え?!それじゃあ武器買えないよ?!」
「あ、本当だ。じゃあ違うのにしよ。」
それでも見つめるカイト。
「…そんなに欲しいの?」
「…欲しい。」
「…じゃあいいよ。私防具買わなくていい。」
「え…それはリカイに申し訳…」
「そんなの気にしないでいいよ!私は高性能な防具あるしね!」
ただし、露出が高すぎるがな。
「マジ?!じゃあお言葉に甘えてこれ買います!」
「毎度あり!」
「あ、マントだけください」
「200ゴールドね」
「主人これ頂戴。」
「毎度あり!じゃあ合計で…」
〜商店街〜
「ま…まさか能力高いのにカイト以外めっちゃ安かったから250200ゴールドで済んだとは…」
「よくそんな細かいところまで覚えてるね」
「昔からの能力。」
〜武器屋〜
「へいいらっしゃい!」
「え、さっきの主人?!」
そこにはさっき防具屋にいたはずの店主がいた。
「防具屋と武器屋どっちも経営してるのよ。防具屋から通ずる道もあったのだけれど。」
それは早く行って欲しかった。
「まあまあ、見て買ってくだせぇな。」
これまた様々な武器があった。
「おー!この武器カッコイイ!欲しい!絶対!」
「300000ね」
カイトはそれを聞いた途端、私の方にうるうるとした目を向けた。また私にねだって来たのだろう。
「…もうダメ。」
「そんな…」
急に幻滅したような顔をして他の武器を見に行った。
さすがに武器なしでは戦えない。レベルも上がったのでステッキがないときついと思ったからだ。
「んー…イマイチいいのないな…。」
「ないっすね。」
「うわぁ!びっくりした…」
急に話掛けられたので驚いた。気づかなかったが、隣にはハイラトが居た。
「やっぱ僕は影が薄いんだ…」
「そういう事言うからだよ!…てか、いいのあった?」
「…これ。」
それはとても綺麗な武器。能力も高く、ハイラトにはピッタリだと思った。しかし、問題が1つ。
「げ…200000ゴールド…。」
「そうなんです。だから買えなくて…。」
悲しんでいるハイラトが可愛いと思いつつも可哀想でもあった。
しかし、武器に関しては持ってないので買わなければならない。
「うーん…買わせてあげたいのはやまやまだけど…ゴールドがなあ…」
残されたゴールドは452500。
1人使えるのが約100000。つまり、1人の武器をすごく安くする必要が…ない!
「リーン!カイト!ならべく安いやつ買ってくれない?」
「え、なんで?」
「ハイラトの武器が能力高くていいんだけど、高すぎるから私たちで補うの!だから約70000ゴールドくらいね!」
「そんなぁ…」
そう。高ければほかの人たちが安くすれば良い!能力は多少落ちるだろうけど、なんとかなる!
しかし、カイトだけはまた幻滅しながら武器を探し始めた。
「よーし!これで準備満タン!馬車に乗って王都に行くよ!」
「あの…その前に寄りたいところあるのでよってもいいですか?」
ハイラトからの提案。
「…寄りたいところ?」
「それって…」
カイトがハイラトが言いたいことがわかったらしく、驚いた表情で行った。
「そう。僕たちの実家に行かせて欲しい。」
「実家?前行った家が実家じゃないの?」※第4話参照
「あれは借りてる家だ。実家は違うところにある。」
詳しく聞くと王都の途中にあり、魔王討伐するのは危険だから1度だけ会っておきたいらしい。
実家かあ。今の私の家はどうなってるんだろうな…。
神様になったなんて言ったら両親は驚くだろうな…。
…ん?そういえば神様の件なってるんだ?なれと言われて異世界に来ただけで何もしてないが…。
「リーンリーン」
こそこそ話で言った。
「何よ。コソコソ話して」
「神様の件どうなったの?」
「…?」
あー。こいつ覚えてないな。
「いやなんでもない。」
〜馬車乗り場〜
「リハラ街にこんなのあったんだな」
「まああまり知られてないけどね。馬車は無料で自由に持っていっていいらしいわよ。」
それは太っ腹な人だな。
…太っ腹すぎないか?
「それにしては馬車一台しかないじゃん」
おかしいと思うのは私だけか?
「と、とりあえず、この馬車にさっさと乗ってさっさと出よう」
…ん?急にリーンの口調が変わった…?
「あれ?俺の馬車がねえ!どこいった?!」
あ、そういう事か。どこかから馬車を盗ってきたのか。
「…返して…」
「さあさぁさぁ!行くわよ!」
ヒヒーン!パカラッパカラッ
私はもうリーンを睨みつけることしか出来なかった。




