第4話 採取のはずなのに…
ハイラトとカイラが仲間に加わった次の日。早速クエストを受けるため、掲示板のところに来ていた。
「あれ、今日は強いやつ無くなってる。一昨日までは沢山あったのになあ」
特に残念がる必要も無いが。
「なんだよー!強いヤツ倒したい倒したい!」
「そういえばカイラとハイラトはレベル何?」
「「レベル99」」
こんなにも驚いたことは無い。なんせ魔王たちが復活してからまだ4日しか経ってなかったのだから。
「ま、まぁ、今は弱いクエストしかないからとりあえずそのどれかにしよう」
そして私たちが選んだのは…
〜クレア鉱山〜
「よし!リンカ石は全部とったよ!あと鉱石採取で残ってるのは…奇石だね。」
鉱石採取クエスト。その中でも1番手に入れにくい奇石。
「この奇石簡単に手に入りそうだけどな…どこが貴重なんだろう。」
「貴重というよりか、みんなが取ろうとしないだけだけどね。だから貴重って言われてる訳。」
「なんで取らないんだ?」
「そりゃあねぇ…」
リーンは黙り込んだ。
その時、なにかが見えた。
「ん?あれはなんだ?ってか…私たちの方に向かってるよねあれ。しかも気持ち悪!」
向かってきているなにかは、動きがとても奇妙で、見ていられなかった。
「…あれが奇石。」
「ぇぇぇぇぇぇええ!」
驚いてるのも気にせずまっすぐリカイに向かってきた。
「ギャー!助けてぇぇええ!死ぬー!」
「あら、死亡フラグたてないで死にそうだなんて、相当運が悪いのね。いいわ。やって…」
「リターンソウル!」
ハイラトが唱えると奇石は動きを止めて、落ちた。
「今の技何?!すご!」
「まぁ、プリーストですからね。魂を浄化するのはプリーストの役目ですよ。」
どこかの下品な神様とは大違いだ。こんな子が神様にふさわしいんだよな。なんであんなやつが神様になってしまったのだろう。
「ハイラトが魂を浄化してくれるなら大丈夫だね。さっさと採ってさっさとゴールド手に入れてやる!」
「また同じ死亡フラグ立てたわね。本当に懲りないんだから…。」
「って言ったって、今回はそんな危ないことじゃないでしょ?ハイラトの浄化も…あ、あるんだから…」
背後に気配を感じた。
その気配はとても大きく、私じゃ絶対倒せないであろうモンスター。
「あ、言っておくけどこの奇石は守護霊いるからね〜。しかもウインタークイーンとファイヤーキングが(笑)」
「い、一旦退散だ!」
〜刑務所〜
「はぁ…はぁ…。なんであんなやつがいるんだよ…。」
「言ってなかった私も悪いけど、無防備に死亡フラグ立てるあなたが悪いからよ。」
「…なにを!」
リカイとリーンは喧嘩を始めた。
「しかし、これからどうしたものかなー。ハイラトの浄化はあってもさすがに氷の女王と炎の王様を浄化するには魔力が足りないしな…。」
「うん。たしかに、私は魔力が普通のプリーストより少ない。だから、魔力を分けてもらわなきゃ。」
「でも、まだリカイはレベル5、リーンはレベル20だから、そこまで能力が…あ、リーンの魔力をもらえばいいのか。」
「でも、スッキング出来るやつなんて…。」
「ならこの私に任せてちょうだい!今私は結構ポイント溜まってるの。だから覚えられるわ…」
「そんなのどうでもいい。言ってなかったんだから謝れ」
リーンの言葉を聞くと安心したのか何故か大声で
「じゃあ今から行こう!」
「…え?」
2人とも喧嘩を止めた。
〜商店街〜
「この人がスッキングできる人だ。」
「こんにちは。ルビア・ティーカと申します。職業はリッチー。よろしくね。」
…お前たちの兄弟はどれくらいあるのだと問いたい。
「じゃあ見ててね。それぞれこの装置をつけて、ハイラトは右に、カイラは左に。」
カイラとハイラトは、ルビアに言われた通りに動いた。そして、ルビアは唱えた
「スッキング!」
そう唱えると装置が変化した。だんだんハイラトの魔力が上がって、逆にカイラの魔力は下がっていった。
「よし、これだな。できた!習得完了よ!」
「これでなんとかできる!ありがとう!ルビアさん!」
「いえいえ。討伐頑張ってね〜」
討伐ではなく採取クエストなのですが…。
〜クレア鉱山〜
「やぁやぁ!ウインタークイーンとファイヤーキング!今日はお前を倒す!」
早速リーンがスッキングをし、そして唱える。
「ハイリターンソウル!」
光が眩しい。
その光が消えると…まだそのモンスターたちはいた。
「い、一時撤退!」
その後も、何度も作戦を考えては挑みに行き、失敗し何度も撤退した。
「はぁ…はぁ…。さすがは冬の女王ってだけあるわね。」
「氷の女王な。とりあえず、どうしたものか…。何をやっても効かないぞ…。」
「…ていうかさ。」
「ん?どうした?」
「えーっと…その…い、依頼期限もうすぎてるよ…」
「「「あ…」」」
奇石を採取するからウインタークイーンとファイヤーキングを倒すという目的にいつの間にか変わっていた。
それに、依頼期限なんてものがあったのかと思ってしまった。
「…ま、まぁ、鉱石沢山あるし、それ売ればいいんじゃないか?」
「そ、そうだな。そうしよう。」
そうして、私たちの無意味な闘志は燃え尽きた。
…。
「…ば、売却して5000ゴールド!なんて嬉しいご褒美だ!こんなご褒美は聞いたことがないぞ!」
「まぁ、それだけ奇石は貴重だったってことだ。」
「あ、そうだ!どうせなら、その金でリカイの防具買おうよ!リカイだけ謎の服じゃなんか嫌だし」
謎といえば謎だが…地球の服はそんなに奇妙なのか?
〜防具屋〜
「へいリーン!今日はどんな御用かな?合コンかい?すごく顔立ち良くてハーレムだねえ!」
「私をなんだと思ってるのよ。今日はこの子に似合う防具が欲しいの。あるかしら?」
「そのかわい子ちゃんかい?その謎の服をもらう代わりに魔法使い用の防具あげるね!」
「あ…えっと…」
ここに来てまさかのコミュ障が出てくるとは…。
防具屋の人が言う通りにしてみると…
「え?な、なに、これ…いや、み、見ないでぇ!」
防具屋に着せられた防具は、とても露出度が高く、とても外には出れないような服だった。
「目の保養だ目の保養…グハッ!」
カルラがいやらしく見てくるので目を潰した。
「あ、兄さん!」
「じろじろ見るから悪いのよ!とにかく、もっと露出がなくて可愛いやつにしてもらっていいですか?」
「じゃあ追加で揃えさせていただきますね。その金は取るので」
今度来た服はさっきよりは露出が少なく、とても可愛かった。
そう…さっきよりは。
「さっきよりは少ないけど、この防具屋はこういうものしかないのですか?」
「は、はい。」
「まぁ、これでお願いします。」
「毎度あり!」
もうこの防具屋は来ないようにしよう。
〜翌日〜
(朝)
「リカイリカイ!」
「…なに?」
「ずっと戦ってきたあのモンスターって、倒すとすごくゴールドと経験値が入るらしいですよ!」
「まじ?!じゃあ今から倒しに行こう!」
〜クレア鉱山〜
「さぁ今度こそはやってやる!」
「マント被っているんですね。」
「当たり前でしょ。」
商談しながら仕事に励む。なんと楽しいことか。
しかし、今回は、なんの作戦も考えていない。もう面倒になってしまっただけだが…。その分、不安が大きかった。
歩いていると、例のモンスターが現れた。
「ガルルルル…パタッ…。」
「…え?」
私を見た途端、倒れた。しかし、私は何もしていない。
「「「露出パワーだ」」」
「し、知らないよ!」
〜刑務所〜
「ま…まさか本当に大量のゴールドと経験値が手に入った…。」
どうやらウインタークイーンとファイヤーキングを私が倒したらしく、レベルは50に、所持ゴールドは200000になっていた。こんなに楽に経験値とゴールドが入るならもっと早くしていればよかったのに。とも思ったが…。
「露出には相当弱かったんだな、イッタァァア」
カイトの目を潰した。
「もうあの服にはうんざりだ…。」
レベルが上がったのは嬉しいが、露出が高すぎて男性がメンバーにいる以上、もう使いたくないと思った。




