第25話「再会とマオちゃんと修羅場」
「うーん…ん?あれ?――そうか、俺はマオちゃんと一緒に宿屋に泊まったんだ?――マオちゃんは?」
朝になって、宿屋のベッドの上で目が覚めた勇者ことアルス。
この街に来た時に、迷子になっていて困っていたマオちゃんを保護して、デートみたいなのもした後に、宿屋にマオちゃんと二人で宿泊した。
隣のベッドに寝ていた筈のマオちゃんの姿が何処にも居なかったので探す。
「ん?――何だろう?――ベッドの中にもぞもぞ動いて?――」
ベッドの中にいつの間にか潜り込んでいたマオちゃんを発見した。
しかも、アルスに抱き付いている。
「ま、マオちゃん!?」
するとマオちゃんが目を覚ます。
「うーん…あ、アルスお兄ちゃんおはよう」
「うん、おはようって…マオちゃん?――どうして一緒に寝てるの?」
「んとね?――さっき起きたら、寂しくてお兄ちゃんと一緒に寝たかったの?――ダメ?」
そ、そんなうるうるした目と表情で見詰めないで、俺困っちゃうよ。
レイナちゃんとは別の意味で、小悪魔というか、可愛いというか。
「とりあえず、起きようかマオちゃん?」
「や!――もうちょっとだけお兄ちゃんと寝るの!」
いやいや、こんなところを誰かに見られたら。
そこへ、ガチャと扉が開く音が聞こえる。
「助けに来たわよアルス!」
「大丈夫お兄ちゃん!」
エルフ族の令嬢ことアルスの婚約者のエレイナと、獣人族の長の娘ことアルスの婚約者のレイナが入って来た。
「え?――エレイナとレイナちゃん!?――何故ここに?」
「魔王軍が進軍してるって聞いて、あんたを追い掛けてこの街に駆け付けたの――それより、誰よ?その子?――また増えたの?――この浮気ヤロー」
「お兄ちゃんにまた増えたんだ?――すごーい!」
まさかの、レイナちゃんとエレイナの乱入とは想定外過ぎるよ。
「浮気だなんて、とんでもないよエレイナ!――マオちゃんは迷子だったから保護しただけで…」
「へー…迷子の女の子がベッドで抱き付く事があるんだ?――私、はじめて知ったわ」
「あの、えっと、その…」
「アルスお兄ちゃんはマオが嫌いなの?」
「えーと、その…」
この修羅場をどうにか抜け出す方法は?――ダメだ思い付かない。
さらにそこへ、ラルク伯父さんとマリア母さんやソニア婆ちゃんも来た。
「まあ!?――アルスはまた一人増えたの?」
「もう、何も言わん」
「さて、何人増えるのかね?」
どうしてみんなもここに居るんだろう?――またもや問題が、
「おやまあ、また増えたのかい?坊や?――私の可愛いレイナというものがありながら――いい度胸してるじゃ無いか?」
巨大な剣を背負った、レイナちゃんの母親ことレイアさんご登場。
その後、俺はレイアさんとエレイナに3時間くらいお説教を受けた。




