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第24話「マオちゃんと勇者のデート」

 勇者のアルスです。

 俺は今、魔王軍が近くの街に進軍しているとの情報を聞き付けて、勇者の剣のブレイブジェネシスと共に周囲の街に来ています。

 そこで迷子になってしまったマオちゃんという女の子に出会って、一時的に保護する事になりました。


「ねえ?アルスお兄ちゃん?」

「どうしたのマオちゃん?」

「あのね、うんとね――(ぐー、お腹の音)」

「一緒にご飯でも食べに行こうか?」

「うん…」


 マオちゃんと手を繋いで、一緒に街の中にある出店に向かう。


「はい、マオちゃん」

「ありがとうアルスお兄ちゃん」


 近くの出店から買って来た、干し肉のハチミツ揚げをマオちゃんに買って渡した、二人並んで食べる。

 この街の名物みたいだ。


「アルスお兄ちゃん、これ美味しいね?」

「うん、美味しい」


 その後も何件かの食べ物の出店をマオちゃんと一緒に回った。


 ――うーん、これってあれだよね?――デートっていうヤツだと思うんだけど、まあいいか――マオちゃんも喜んでくれているし。


 マオちゃんが歩き疲れて寝ちゃったので、俺がおんぶしている。

 一応、マオちゃんの親が居ないかも聞き込みをしたが――この街の人間でも無いし、他の街か村の子じゃないかという話だった。


 ――もうじき暗くなるし、マオちゃんを一人に出来ないし――仕方ない、今日は、この街の宿屋にマオちゃんと一緒に泊まろう。


 最悪、親戚の子を預かっているとか、妹と通せばいいな――迷子の女の子を放って置けない。


 「…ママ…すー、すー…」


 ――寝言か?――早く親に会わせてあげたいな。


 俺は近くの宿屋にマオちゃんと一緒に宿泊しようとおんぶしたまま、向かう。


 ~一方でマオちゃんの母親こと魔王はというと~


「マオちゃーん?――マオちゃーん?――何処に行ったの?」


 まさか?――人間達に連れ去られた?――いやいや冷静になるのよ私。


「あの、魔王様?」

「うるさい!――マオちゃんは居たの?」

「周辺の聞き込みでは、この近くの街に似たような女の子が居たそうです」

「それはホントなの?――さっそく向かうわよ?――マオちゃーん、今行くからね!」


 近くの街に居た?――なんでそんなところに居るのマオちゃん?――まあ、好奇心旺盛な子だから、よく遠くの街に一人で向かっちゃうのよね?――でも、すぐに泣きながらママ、ママってなるのよね?


「魔王様、マオ様ですが」

「今度はなに?」

「マオ様からお兄ちゃんと呼ぶ、少年と共に行動しているみたいです」

「お兄ちゃん?――誰よソイツ?」


 あのマオちゃんが人間の男の子に懐くなんて、まあでも、近くの街に居たし保護してくれたその男の子にも、後から会わないとだけど、本音を言えば今すぐにでも行きたいんだけど…魔王軍を率いているから、一人で行動出来ないし、うーん。


「魔王様、夜営の準備が出来ました」

「うむ、ご苦労――朝になり次第、マオちゃんの居る街に向かう、それまでゆっくりと休めと皆に伝えよ」

「はっ」


 心配で胸が張り裂けそうだけど、マオちゃんも一時的に無事みたいだし、朝になったらすぐに向かうわよ私。


 その夜、私はほとんど一睡も出来ない夜を過ごした。

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