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第16話、勇者覚醒

俺の名前は…アルスーン・レッドフィールド。

今…俺の下に勇者の剣が現れて…俺は真の勇者になったみたいだ。

更に勇者の固有スキルの正しき心と正義の剣が完全に開放された。

この剣を通して…伝わって来る無限に(みなぎ)る力が。


《我が主よ…勇者の剣は…絆の剣…受け継がれる剣とも呼ばれています》

「((受け継がれる剣?))」

《この剣を今までに振るってきた者達やその者達と共に戦場を駆け抜けた者達、更には剣を振るう者と対峙した者達の力と経験が刻み込まれています》

「((剣を振るって来た者達や対峙した者達の力と経験?))」

《今…その力を新たな勇者に託しましょう》


勇者の剣ことブレイブジェネシスから…いろいろな力やエネルギーが伝わって来る。

力やエネルギーが溢れて(みなぎ)る。

何故か…知らない魔法や使った事の無い魔法まで覚えたぞ?…


「((よくは分からないが…この力を使わせて貰おうか!))」

「((とりあえず…クーデターを起こした奴らを捕らえるかな?))」


そう言って勇者の剣ブレイブジェネシスを構える。


「クッ!」

「((レイアさんと獣人族や王都キングダムウォールの兵士達と騎士団の人達は何もしないでね?))」

「いいだろう?…お手並みを見せてみな坊や?」


えーと…敵は目の前に居るエルフ族の戦闘部隊だな?

何だか以前より…敵の配置とか…動きとか手に取る様に分かる。

クーデルさんとエアリスは無力化して捕らえるか。

敵の配置は…宿泊施設と周辺一帯の街に外の森の中に…あとは居ないか。


「((敵…エルフ族…宿泊施設とアルディアの街の中に居るエルフ族も含める))」

「((勇者の剣…))」

《我が主よ…敵は目の前と周辺一帯の街に居るエルフ族と森の中に入る者ですかな?》

「((ただし、エレイナは味方だから対象外で…エアリスとクーデルさんは無力化して捕らえる))」

《承知した》

《勇者戦闘開始》

《自動魔法発動補助発動します》


俺は…宿泊施設と中間都市アルディアに居る全てのエルフ族を…魔力感知魔法のセルダーを詠唱済み神速発動で捕らえる。

麻痺魔法のパラライズと毒魔法ポイズンと視界遮断魔法ブラックアウトと敵の魔法発動無効魔法のマジックデリートを全て、標的としているエルフ族に詠唱済み神速発動で無力化する。


「動けない!」

「何も見えない!」

「ぐわぁぁ毒だ!」

「魔法が発動しない!?」


「((標的は…エルフ族の戦闘部隊全てとする))」

《我が主の意思のままに》

「((詠唱済み神速発動…超級雷魔法))」

「((標的以外には全てに完全魔法結界と完全魔法障壁を詠唱済み神速発動でかける))」

《我が主の仰せのままに》

「((ゴッドライトニングエターナル))」


凄まじい落雷と共に周囲のエルフ族の戦闘部隊全てを戦闘不能にする。

更にその魔法の衝撃波や攻撃によって被害が出ない様に完全魔法結界と完全魔法障壁を詠唱済み神速発動でエルフ族の戦闘部隊以外の俺自身とエレイナとクーデルさんとエアリスを含めた中間都市アルディアに居る全員に同時にかける。

加えて全ての建物や家具や日用品や食料に至るまでの中間都市アルディアにある物全てにも同じく、完全魔法結界と完全魔法障壁を詠唱済み神速発動でかける。

建物や家具や日用品や食料に攻撃が当たったら日常生活に影響が出るからね。


「勇者の力が…まさか…これ程とは…」

「驚いたね…あの坊やも凄いけど…あの剣も…」

「アルスお兄ちゃんすごーい!」

「これが…我が王都キングダムウォールに代々伝わる勇者の剣の力…」


勇者の剣を持って、そのままエアリスとクーデルさんに近付く。


「((降伏して下さい…クーデルさん!エアリスさん!))」

「クッ!…私達は引く訳にはいかないんです!」

《敵の攻撃と抗戦の意思を確認しました》

「((エアリスを無力化する))」

《了解しました》


麻痺魔法のパラライズ、視界遮断魔法のブラックアウト、敵の魔法発動無効魔法のマジックデリート、相手の戦闘や興奮状態を解除する魔法のクールダウン、両手の自由を奪って後ろに縛る魔法のゲットロープを詠唱済み神速発動でエアリスとクーデルさんに発動する。


「ぐわぁぁ!…クッ!」

「フッ…ここまでですね」

「まだよ…」

《敵は呪術の様な物を発動します》

「((呪術?))」

「私の命を引き換えに…ブラックドラゴンを召喚する!」


エアリスが…口の中に仕込んでいた魔方陣の様な物が光輝く。


「((何故…そこまで?))」

「お前達人間には分からな……」

「……」


そう言ってエアリスは生き絶える。


《死亡しました》

「((分かっている…ブラックドラゴンは何処だ?))」

《外に居ます》


あれがブラックドラゴンか…

中間都市アルディアの上空に巨大な体と大きな翼で飛ぶ漆黒の竜が現れる。


「ギャオォォォン!」

「((デカイな…))」

「ぶ、ブラックドラゴン!?」

「黒い竜!?」


「王女様!このままでは…」

「分かっています!…兵士達と騎士団の皆さんは…迎撃の準備をしつつ中間都市アルディアに居る市民の皆さんを守って下さい!」

「はっ!」


「パパ~ママ~!…怖いよ」

「おお…パパが付いているからなレイナちゃん!」

「あんた…それでも獣人族の長かい?…帰ったらお説教だ!」

「ええー!?」


「((皆さん!…ブラックドラゴンは俺だけで倒しますので…ここで待っていて下さい!))」

「はぁ?…坊や一人でかい?」

「そんな無茶な!」

「アルスお兄ちゃん」

「((大丈夫だよレイナちゃん!…お兄ちゃんがあの怖い竜を退治して来るからね?))」


レイナちゃんに近付いて、頭を優しく撫で撫でしてあげる。


「エヘヘ…うん!お兄ちゃん頑張って!」

「アルス君…勝算はあるのかね?」

「((何とかしますよ!…僕は勇者なので!))」

「まあ…さっさの戦闘で坊やの実力や勇者の剣の力は知っているけどね…」

「うーむ」

「((大丈夫!…何故なら僕が勇者だから!))」


「申し訳ありませんアルス様…あなたに頼りきりで…」

「((気にしないで下さい!…師匠のラルク伯父さんからも勇者は困っている人や命を助けると教わっています!))」


「へぇー…君があのラルクさんの甥なのか?」

「こら!ルーク!…王女様の御前ですよ?」

「((あなた達はもしかして…ルークさんとジルさんですか?))」

「だったらなんだ?勇者君!」

「こら!ルーク!…ええそうよ?…何故知っているの?」

「((ラルク伯父さんから聞いています!…事が終わってからでいいので…後から話しましょう!))」

「ああ…いいぜ?」

「ええ…是非話しましょう!」


「((あと…王女様のユイナ様でしたか?))」

「何でしょう?」

「((王都キングダムウォールの王様の側近の宰相のエルフの人に会わせて欲しいんですが?))」

「宰相のエルフの人?…アストライア様の事ですか?」

「((僕の魔法の師匠のソニアっていう人の師匠だって聞いてて…何かあったら頼る様にソニアさんから聞いています!))」

「まあ!…ソニア様から…分かりましたわ…謁見出来る様に話しましょう!」


「((さて…じゃあブラックドラゴン退治をして来ます!))」

「ご武運を…」

「頑張って下さいねアルス君!」


俺は飛翔魔法のフライジャンプと高速移動魔法のマッハスピードと瞬間移動魔法のジャンプムーブを詠唱済み神速発動で自分自身にかけて、ブラックドラゴンが居る中間都市アルディアの上空へと宿泊施設の窓から飛び出した。

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