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第14話、悪い噂と勇者の剣

~数日前~

(わたくし)の名前はユイナーズ・エナドワールです。

王都キングダムウォールで第一王女をしております。

勇者の剣の一件の後…(わたくし)やお兄様や国王陛下ことお父様や皆で協議をした結果。

勇者の剣の一件は…いたずらに事態を荒立てずに静観する事になりました。


ですが…問題はこの後…

会議の途中…国中にて問題視されている危険薬物の流行について触れました。


「一つよろしいですかな?」

「良い、申せ」

「はい」

「実は王都内で流行している危険薬物についてですが…」

「その出所が…中間都市アルディアやその近くの集落からだと言う情報がありまして…」

「何?」

「その話は本当ですか?」

「あくまでも噂ですが…」

「うーむ…」


その薬物の出所が…王都キングダムウォールの近隣の都市のアルディアや…その近くの集落からの提供だと言う情報があった為、(わたくし)は…真実を自分の目で確かめる為に中間都市のアルディアへと早馬を走らせました。


~そして現在~

その後…(わたくし)はまず、中間都市アルディアの領主と話をする為に向かいましたが…領主の家には領主が居らず。

この宿泊施設に滞在していると聞き付けて…先ほど到着して現在に至ります。


しかし…思いがけない出会いもありました。

それが…まさかの獣人族の長のゼイン様とその娘のレイナ様…更にはエルフ族の族長の娘のエレイナ様がなんと、その宿泊施設にいらっしゃったではありませんか。


加えて…アルス様ことアルスーン・レッドフィールド様との出会いには運命を感じました。

偶然とは思えないこの出会い。

神様も粋な計らいをしますわね。

更には…そのエルフ族の族長の娘と婚約関係だと言っていました。

エルフ族との婚約は本来…エルフ族同士か...エルフ族の族長から認めて貰った者のみだと言う話でしたが、アルス様はエルフ族の族長のユリウス様から認められたという事ですわね。


アルス様の師匠があの…先代の騎士団団長のラルクラット・レッドフィールドことラルク様。

閃光のラルクの異名を持ち…歴代最強の騎士だと言われたお方。

もう一方の魔法の師匠があのソニア様。

ソニーアード・レイアッド様…王都キングダムウォールではその名前を知らぬ者は居ないとされる人間の身でありながら最高の魔法使いと称されたお方。


そして…アルス様のあの魔法や魔力。

素晴らしい魔法の才能をお持ちなのが分かりました。

ひょっとしたら勇者の剣もアルス様が原因なのではと思いましたが…

答えを出すのは…様子を見た方がよろしいですわね。


「して…何故王都キングダムウォールの第一王女のユイナ様ともあろうお方がこのような場所に出向いたのですかな?」

「観光では無いでしょうね」

「エレイナさすがにそれは無いと思うよ?」


ではそろそろ本題に入りましょう。

ここに来た目的もありますし。


(わたくし)がこの中間都市アルディアに来た目的は…危険薬物の出所がこの中間都市アルディアやその近隣の村だと言う噂を真実か否かを自分の目で確かめる為です!」

「ほう?…奇遇ですな…私もです」

「ゼイン様もですか?」

「ええ…私の住む獣人族の国…モルケールでも同様の被害が拡大しておりまして…」

「モルケールでも同様の被害が?」

「それで…私自らが…中間都市アルディアへと足を向けたという訳です」


「という話でしたが…アルディアの領主殿は…いかがですかな?」

「その様な話は知らぬ…噂話はあくまでも噂です!」

「その様なありもしない噂話で…私を問い詰めるのは止めて頂きたい」


「本当かしらね?」

「エアリス?…」

「はっ…既に確認は取れています!」

「実は…私もお父様から…この噂話については聞かされていたのよ?」

「そこで…さっきのレイナとその近衛兵を襲ったの山賊達に確認したら…」

「中間都市アルディアの領主に依頼されたと自白したそうよ?」

「レイナ様が泊まっていた宿屋に山賊達が襲って来て…急遽逃げる事になったと、レイナ様の近衛兵の方々からも確認が取れています」

「その通りです!…ゼイン様」

「うむ…」


「アルディアの領主!…王都キングダムウォールの第一王女、ユイナーズ・エナドワールの前でもシラを切りますか?」

「……」

「…(ほいっと)…」


アルスが…中級氷魔法のアイシクルコールドを無詠唱でアルディアの領主の体を氷漬けにして、動けなくする。


「すみません…逃げようとしてましたので…」

「余計なお世話でしたか?」

「いえ…」

「おかげで手間が省けたよ」

「さて…アルディアの領主様…(わたくし)の質問に答えて下さいませ!」

「こうなってしまっては仕方ない!…」


「お?…エレイナ!…エアリス!…クーデルさん!…手伝って」

「いいわよ」

「分かりました」

「はい」


「あれ?…何故発動しない?」

「自爆魔法か?…ずいぶんと危ない魔法を使うんだね?」

「どうなっている?…何故魔法が使えない?」

「相手の魔法の発動を遅らせる魔法のスローキャンセル、相手の魔法の術式を解読して魔法を発動させない様にする魔法のマジシャンズクリエイター、更に相手に再び魔法を発動させない様にする魔法のマジックアウトを…エレイナ、エアリス、クーデルさんにやって貰ったんだ!…もちろん無詠唱で」


「そんな魔法は知らないぞ?」

「そりゃそうだろ?…だってこの魔法はエルフ族のみしか使えない魔法だからね」


まあ…俺でも全て使えるんだけどね。

もちろん無詠唱で。

あえてここはこう言って置こう。


「連れて行け!」

「はっ!」

「俺の自爆を阻止したのは見事だったな?アルス君」

「褒美として…例の危険薬物の本当の出所について教えてやろう…それはライゼル村の奥地のエルフ族の里の南の旧ライゼル村だよ!」

「そして…その首謀者は…お前の父親のライオネット・レッドフィールドと…そこの…」


そこへ弓矢がアルディアの領主の胸へと刺さる。


「あの窓からか…」

「アイツか?」


エレイナが開けた窓のすぐ外からの狙撃だと判明した。

その外から逃げようとする狙撃者。


「口止めだろうな…恐らく」

「見ろ…即死だ…心臓を一撃で射貫いている」

「この矢は…」

「ええ…私達エルフ族の物よ…」

「すぐにエルフ族の里に行くわよ?エアリス!…」

「そうは行きません…申し訳ございませんエレイナ様」


エアリスがエレイナを気絶させた…


「エア…リス…?…どう…し…」

「彼女もグルだったか?」

「((エレイナ!))」

「大丈夫です…気絶させただけです」

「((何のつもりだ!エアリス!))」


すると…周囲の空気や空間が歪み始める。

更に声が大きくなり、反響する。


「声が大きくなって反響している?」

「うーん…アルスお兄ちゃんの声が頭の中とかに直接聞こえるよ?」

「この声の主はアルス様だったのね?」

「ではやはり以前の王都の宝物庫の勇者の剣の一件は…」

「((勇者の剣…))」


何故だろう?…聞き覚えがある…

その武器があれば…きっと

すると俺は何故か…その武器を無意識にも呼んでいた。


~王都キングダムウォールの宝物庫にて~

《懐かしい…》

《この力の波動》

《真なる主が…我を呼んでいる》

《今行きます…真の勇者よ》

すると…次の瞬間…王都キングダムウォールの宝物庫に封じられている勇者の剣が…封印の結界ごと宝物庫を破壊して、解き放たれる。

勇者の剣が…光輝いて、そのまま真なる勇者の下に音速を越える速さで飛んで行く。

王都キングダムウォールの宝物庫の壁や扉や結界を全て破壊して。

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