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【第3部】第1話 新魔法、危険すぎて封印した日

城を出てから、

どれくらい歩いたのかは分からない。


道は続いていた。

草があり、土があり、風がある。


振り返る必要がない。

それだけで、十分だった。


一旦、立ち止まる。


理由はない。

足が止まっただけだ。


道の横には、小さな川が流れている。

濁ってはいないが、澄んでもいない。


――そういえば。


あの村でのことを思い出す。


魔物の群れと戦っている最中、

いくつかの魔法が脳内に流れ込んだ。


――あの時は必死だったからな、無視したが……


とりあえず、試したい。

好奇心には勝てない。


手のひらを前に出す。

念のため、腰を落とす。


反作用を受ける態勢を整える。


――とりあえず、川を狙って……


「ウォーターボール」


バシュッ――!!


「……」


反動は、しっかりある。


だが、それよりも――

叩きつけるように、川の土をえぐった。


「……川に分岐が出来た……」


一瞬、呼吸が止まる。


――当たれば、簡単に人が死ぬぞ。

――よし、封印。


一度、息を吐き、気持ちを切り替える。


――次は……ウィンドカッターか。

――これも、ヤバい気がする。


同じように腰を落とし、

川の先にある木を狙う。


「ウィンドカッター」


風は、一瞬だった。


一瞬で、木をズタボロに切り裂いた。


「……」


手を下ろす。

風は、元に戻っている。


「……怖っ」


小さく呟いて、歩き出す。


まだ道は続いている。

木漏れ日が差し込む。


どこかで、鳥が鳴いている。


――今日は、何もなかった。


そういう事にした。


今日も一人でいる時間が、続いていく。



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