第21話 海は若さを運ぶ(3)
何が何でもラーメンを作るというヒジェは、誰にも止められなかった。ジフンもどちらでもいいという顔で隣に座り、ラーメンの袋まで開けてしまった。開いた袋を見たデヒョンは目の色を変え、悪態をつきながら、俺らだけでもサムギョプサルの店へ行こうと言った。だが、インスはジフンを置いていきたくなかった。何より、遊びに来て友達同士で別々に行動するのは嫌だった。
「ああ、もういいよ。ラーメン食おうぜ。キョンポデまで来て、何でサムギョプサルなんだよ」
「ラーメンならいいのかよ?」
デヒョンはまだ諦めていなかったが、ヒジェはにやにやしながら、もう粉末スープを水に溶かしていた。友達も一人、また一人と諦め、夕飯の準備を手伝い始めた。
潮風がバーナーの炎を揺らすので、湯が沸くまでにもずいぶんかかった。ひとまず泡が上がり始めると、すぐに麺を入れた。それから、風上に肩を寄せ合って座り、火を守った。ジフンは取り分ける器と箸を用意し、キムチも皿に盛った。まだ火の通っていない麺は硬そうだったが、ヒジェがひと箸すくって器に入れ、味を見た。
「大丈夫? 食える?」
チョンウォンが尋ねた。熱いのか、ヒジェは口を閉じられずにいた。もぐもぐと口を動かし、返事の代わりに親指を立てた。そしてまた麺をたっぷりすくい、器をいっぱいにした。
「あいつ、味見にしちゃ取りすぎじゃねえの?」
もう食事を始めているヒジェに、みんなは呆れた。
「おい、まだ煮えてねえぞ。それ、ただの菓子じゃん」
ジフンまで加わって麺をすくうと、友達も慌てて寄ってきて、自分の器に取り分けた。ラーメンは思ったよりうまかった。半生の麺の硬い歯触りも、海辺の空気をおかずにすれば、立派な夕飯になった。全部食べ終わると、ゲームで皿洗いの当番を決めた。
いつの間にか日が落ち、浜辺にも少しずつ闇が降りてきた。
五人は砂浜にシートを広げて座り、代わる代わるビールを注いだ。ジフンは注がれるなり一息に飲み干し、もうお代わりを求めて手を伸ばしていた。チョンウォンは菓子の袋を開け、一つずつ目の前に放った。ヒジェは鼻をすすりながらビールをちびちび飲んだ。打ち寄せる波の音が耳をたたき、水平線は姿を消して、夜空の星だけが輝いていた。ソウルを離れ、久しぶりに味わう穏やかな時間だった。
こんなに静かなキョンポデは、どこか見慣れない場所のようだった。インスは波の音を破って叫んだ。
「おい! 何でこんなに人いねえんだよ?」
期待していた若い男女の群れも、ナンパの賑わいもどこにもなかった。恋人たちは腕を組んだり、薄い上着の袖の上から自分の腕をさすったりして、寒さをしのいでいた。家族旅行らしい夫婦と子どもは、ときおり砂浜を濡らす波に沿って歩き、楽しそうな笑い声を上げていた。去年見た景色は、どこにもなかった。
肩を落とす友達の沈黙を、チョンウォンが破った。
「考えてみたらさ」
何を言うのかと、インスとデヒョンが顔を向けた。
「今、五月なんだよな。ここに来て、そうやって遊ぶ時期じゃねえんだよ」
みんな黙ったままだった。「ああ……」というため息だけが静けさを破った。やがてデヒョンが声を上げて笑った。
「いや、頭五つも集まって、誰もそこに気づかなかったのかよ?」
「ゼロを五つ足してもゼロだからな」
ヒジェはどうでもよさそうに答えたが、苦い気持ちは隠せなかった。
「はあ……ここに来るために、ヒソルとあんなに揉めて喧嘩したのによ」
キョンポデに人が集まる時期は、夏休みと重なっていた。去年、インスとデヒョンとヒジェの三人で来たのも夏休みだった。五月のキョンポデには、穏やかな静けさだけが流れていた。海は夏の秘密を隠していた。そして何より、暗くなるとひどく寒かった。デヒョンはどうにか誰かと知り合いたかった。ジフンを連れてキョンポデをくまなく回ったが、ちょうどよさそうな相手はなかなかいなかった。ようやく女の子だけの一団を見つけて声をかけたものの、地元の言葉で、こんな時期からナンパかとあしらわれた。そのあとも同じだった。どこへ行っても景色は変わらない。ジフンがもう戻ろうとデヒョンを引っ張った。未練さえ贅沢に思える季節だった。
「おい、もっとゆっくり飲めよ。誰も取らねえって」
ジフンはいつの間にかビールを一本空けていた。インスは新しいビールを開けて渡し、小言を言った。ジフンは、
「ああ、何でこんなに酔わねえんだろ」
と、もうふやけた紙コップに注いだが、すでにろれつは怪しかった。何を話しても楽しかった暖かな午後と違い、夜になると、みんな黙って紙コップを空けていた。
「おい、俺らだけでもゲームして遊ぼうぜ」
ヒジェの提案にデヒョンは渋い顔をした。
「男だけで何のゲームすんだよ。罰はどうする? 酒飲むのか? あいつ見ろよ。負けようが負けまいが、一人で全部飲む気だぞ」
目に見えて動きの遅くなったジフンを指さし、ぶつぶつ言った。
「何かしようぜ。このまま帰るのかよ」
チョンウォンの言葉に、みんなもある程度は納得したようだった。ジフンもへらへらとうなずいた。
彼らの飲み会のゲームは、通りがかりの人まで思わず笑ってしまうほど幼稚だった。「アイ・アム・グラウンド」の二重モーションは、五人でやるには慌ただしすぎた。意外だったのは、この複雑で騒がしい中でも、ジフンが目をしっかり開け、自分を指名する声に反応していたことだった。一度も罰には当たらなかった。ただ、罰の酒を飲む友達とコップを合わせて一緒に飲むので、罰を受けたのと同じではあった。それを除けば、ずいぶんしっかりして見えた。騒がしすぎて、周りの人が場所を移すほどだった。
「おい、もう少し静かにできねえか。俺ら迷惑だぞ」
チョンウォンの注意は、みんなの笑い声にかき消された。始める前にはぶつぶつ言っていたくせに、今年一番の大笑いをしていた。それでもインスだけは周りを見回し、友達に叫んだ。
「おい、おい、おい! ちょっと黙れ。確かにうるせえわ。静かにできるやつ、ねえの?」
ゲームを変えた。さっきほど声を上げて笑うことはなかったが、高校二年の思い出に刻むには十分だった。
「あの」
そのとき、通りがかった女性が近づいてきて声をかけた。デヒョンははっとして、どうしたのかという顔で尋ねた。
「さっきの人たちですね。僕ら、うるさかったですか?」
女の子は笑って答えた。
「ううん、うるさいのは別にいいよ。海だし。楽しそうだから、私たちもちょっと飲んでいっていいですか?」
友達は顔を見合わせた。相談する必要も、返事をする必要もなかった。示し合わせたように立ち上がってシートを空け、自分たちは砂の上に座った。
「ここに座ってください」
ジフンだけが空気を読まず、元の場所でにこにこしていた。インスは足で軽く小突いた。
「ほら立てよ、親愛なる友よ」




