第5話 犬の名前の由来
北海道犬は、天然記念物である。
彼らは出生時、犬舎によってカッコいい名前で登録され、譲渡の際に血統書がつくられる。
北海道犬の大会では、参加犬の登録名と呼称のついた名簿がもらえる。
これで名づけの傾向が確認できる。
犬の登録名は雄犬は侍みたいな名前、雌犬は姫みたいな名前のイメージ。
アイヌ犬と呼ばれた出自にちなんで、アイヌ語の名前をつけるケースも一定数ある。
風を意味する『レラ』
神を意味する『カムイ』
厨二心をくすぐる、必殺技みたいな名前の犬もよく見かける。
うちのKをお譲りくださった犬舎では、犬の出生時に毛色と犬舎の名前を織り混ぜた犬号をつけられている。
Kの名も必殺技かつ横綱風でもあるかっこいい登録名だ。
英語にすると、
『ブラックサンダーつっよ!』
みたいな感じの名前である。
エゾヒグマハンターの猟犬の名前は、どんな基準でつけられているのだろう?
気になる!
職業柄、相当カッコいい名前がついているに違いない。興味が出てしまった。
○犬舎さんから里子に行った子犬たちの独自調査の結果、意外な事実が判明した。
ハンターのお孫さんや、小さなお子さんがペット感覚で名前をつけていた。
一族まるごとフルーツの名前もあったし、外見の特徴そのままの素朴ネーミングもあった。
ヒグマハンターは危険と隣合わせでありながら、銃弾やガンスミス、車の燃料などの経費考えたらほぼボランティア。
ヒグマ猟のないシーズンは災害ボランティアに自ら赴く方もいた。
地域の為に貢献したいという気持ち、優しさを持った人が多いように思う。話していてとても感じがいい。
猟犬の名前にも、ほっこりさせられた。
ところで、犬の躾に際して大切なのは、まず犬に名前を自覚させ、呼んだら飼い主を注視させることだと、当時の書籍には書かれていた。
犬は群のリーダーの目線を追い、その意図を読む性質を持っている、名前を呼んで注視させる行為は自然に序列を意識させることになる。
――これが「アイコンタクト」の躾の理由。
犬の躾メソッドはたびたび変わるらしいので、これが今も合ってるのかどうかはわからないが、当時はそれに従って躾を済ませた。
この基本を踏まえて遊びながら信頼関係づくりをし、次の段階で飼い主の指示を聞いてもらうようにする。
犬は母音の方で聞き分ける性質が強く、四文字以内が覚えやすい――これはネットのペット記事を参照した。
名前を呼んで注視したら、おやつ。
名を覚えたら指示をして、できたらおやつ。
うちのKに限っていえば、おやつは万能アイテムだ。
散歩中も、いつおやつが出てくるのか注目し、車には見向きもせずに笑顔を向けてくる!
基本の躾は順調に終わった。
北海道犬保存会に連絡してKの大会参加を申し込んだ。○犬舎さんに相談し、大会のための訓練が始まるのであった。
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