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第2話 公園デビュー失敗

 Kは散歩中、ずっと飼い主の顔を見上げながら笑顔で歩く犬だ。


「お散歩って楽しいですよね!!」


 と笑顔全開で散歩の喜びを表現しつつ、前を向いてないから常に斜め移動する。


 リードをギリギリまで引っ張り、車のワイパーみたいに右往左往し、まっすぐ進まない。


 すれ違う人間や自転車に飛びつきたがるのも問題だ。


 リードを引っ張りながら無理やり進み、他の人を見かけると二足歩行生物に変身してしまう。


 グリコのポーズで、すれ違う相手に友達申請が止まらない。


 首が締まって喉からヒューヒューゼイゼイと変な音が出ているし、目が血走って変態感がひどい。


 なぜだろう。

 うちでしつけている時は、完璧に『横につけ(ヒール)』ができる子なのに。


 やはり、興奮しやすい性格の問題か。


 公道の散歩は、Kにはまだ早かったのかもしれない。


 公園だ!

 Kには歩道は狭すぎたのだ!


…………

……


 第二公園は森に囲まれ、巨大なオベリスク型噴水がある閑静な公園である。


 公道での散歩に疲れた私は、愛犬家の定番散歩コースになっているこの公園をKの新たな散歩コースに決めた。


「ふふ、Kの犬友達もできる可能性あるぞ?」

「エムッ!」


 Kは興奮しやすい性格だ。


 そして訛ってる。

 たぶん犬にも北海道弁がある。


 家族がそばに寄るだけで、

「キャッハーン!!」

 と叫び出す。


 家族三人集まると嬉ションが止まらない、

『嬉ションスロット機能』が搭載されている。


 第二公園まで車で行こうとKを乗せる瞬間、やはり車内で放水された。

 ……やはり移動用ケージが必要だ。


 車の大掃除がはじまり、楽しいお散歩気分は粉砕されたが、約束は守らねばならない。


 Kは約束をずっと覚えていて、果たされないと夜中に赤子のような声で、

『えぇぇぇええん!!』と泣き出すからだ。


 入り口からレンガ敷きの噴水広場を通り、植栽の小道に向かう。


 愛犬家さんが向こうからやって来た。


 黒柴っぽい!

 仲よくなれるかな?


 Kが二足歩行でキャッハーンした。

 ゼイゼイヒューヒューが止まらない。


 愛犬家さんが犬を抱き上げて来た道を小走りで去っていく。


「スプーン……」


 他の犬と遊べる!

 と期待していたKが拗ねてしまった。


「帰っちゃった……忙しかったのかもしれないね。でも、楽しかったからまた来ようね!」

「エムッ!」


 Kが成犬になった現在、犬友達はまだできていない。


 Kはいまは公道でも『横につけ(ヒール)』ができる落ち着いた犬になりつつある。


読んで下さりありがとうございます!

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