カスマとムル
「そ、そうなんですか。別の、都市、行ってみたいな」
ムルはボソッと呟くと俺は
「なら俺たちがムルを聖都から連れ出してやるよ。一緒に中央都市ガイゼンにいこうぜ」
俺が言うとムルは一瞬嬉しそうな顔をしたがその後
「うれしい、けど、でもわ、私にもここでや、やることがあります」
「ここでやること?何をしなきゃいけないんだ手伝うぜ」
俺はムルに言うがまずは地下牢からでなきゃいけねぇな。勢いで手伝うとは言ったがまずは現状をどうにかしないと
「じ、実は、わ、私聖都の、す、住んでいたき、記憶がな、ないんです」
「聖都で住んでいた記憶がない?でも奴隷階級になっているならそこそこ住んでいたんじゃないのか?」
「わ、私は聖都で、お、起きて、起きてすぐに髪の色、が黒という、ことで奴隷階級、にされ、ました。だから、し、正直聖都が、ど、どんな場所、かもわからず、に、逃げていました」
聖都で起きて黒髪だから奴隷階級に?なんなんだ本当にこの都市は。聖女とやらがヤバすぎるのか?
「た、ただ。わ、たしはこ、こでやる、ことが、ある。そ、そんな気が、する、いや、やらなくちゃ、い、いけないんです」
「そうか。だったらまずはここからでることを考えねば。誰かここにまで」
俺がムルに言うと地下牢にドドドとすごい足音が聞こえてくる。
「これは兄様の、カスマ兄様な匂い!くんくんくん!こちらからよく匂うなぁ!カスマ兄様の匂いがぷんぷんだぁ!」
俺とムルが入っている地下牢の方を男は見ると俺はそいつをみて呆れはしたが無事で何よりで安心した。
「いやぁ。元気だったか?メルイン」
「当たり前だよ!僕はいつだって健康体だよ!カスマ兄様!」
地下牢にまできた男は俺の弟、戦いに優れている三男のメルイン・アンブラルだった。
「兄様久しぶり!ところでなんでここにいるの?兄様はアンブラル王国にいたんじゃないの?」
「ああ。ちょっと用事があって聖都にまできたんだよ。メルインこそなぜここに?」
「僕?僕は聖都を助けに行けってバカ上に言われたからしかたなーくきたの。カスマ兄様以外はどうでもいいんだけどバカ上がカスマ兄様のためにもなるって言うからはりきってきたの!ねぇ?僕偉い?」
メルインは頭を撫でて欲しそうに地下牢の柵に近づくが俺はムルに一旦
「ムル。少し離れていて。下手したら死ぬから」
「え、え?え?」
ムルが戸惑っている間にメルインは狂気的な目で
「なんだこの柵は。僕とカスマ兄様の邪魔をしてる柵は。ムカつくなぁ。ムカつく。まじでムカつく。ムカつくムカつくムカつく!」
メルインは背中に装備していた剣で鉄の柵をただの紙切れのように切断した。




