第6話 アーケードレース
「やっぱり生の運転じゃないと気が済まねぇな。そう思うだろ?」
カイを含めた4人組は困って黙ってしまった。
「あのー、まだそのアーケードレーシングゲームで遊んでないんだけど?」
ノアは言い返した。
「ああ、遊びだったからつまんなかったのか。教えてくれてありがとよ!」
白い髪の男はそう言うと「そうだ、俺に勝ったら1万やるよ。そっちの方がスリルがあっていいからね。」
「こっちには首都高の暴走族に勝ったカイがいるもんね。」
ノアは自信たっぷりに言った。
「うちのインフェルノの二輪駆動支部が解散したんでどうしたもんかと思えば、お前が解散させたのか。」
怒る訳でもなく面白そうに言った。
「お前はインフェルノの関係者かなんかか?」
カイは昨日いた組員を思い出したがその中に白い髪の男はいないと確信した。
「誰?」
カイはボソッと言った。
「俺か?俺はインフェルノ副総長黒崎レンだぜ!」
「えーあの暴走族の!?」
ノアはびっくりした。
「1万円欲しいだろ?レースゲームで勝負しろよ。」
「四輪駆動なら俺に任せろ。」
ゴウは自信たっぷりに胸を張った。
「ほらよ、コインだ。」
アーケードレーシングゲームで使うコインをレンが弾いてそれをゴウがキャッチした。
「この右の穴に入れればいいんだな?」
「そうだ!楽しもうぜ!」
レンはそう言うと小型車を選んだ。
「そっちが小さい車ならこっちはでとにかくでかいのを選ぶぜ。」
ゴウは得意げに大型車を選んだ。
3.2.1.Go!
この合図とともにレースが始まった。
「うおおおおお!!!」
ゴウはアクセルを思いっきり押し車を加速させた。
「こっちは小さい分、曲がりやすいんだよ!」
レンの小型車は軽快にコーナーへ入って行った。
「何だと!」
ゴウの車は曲がりきれず、壁に激突した。
ドン!!!
「ぐおおお!!!」
「ハハハハハ!」
レンは甲高く笑った。
レンの小型車は1位に躍り出た、それに対しゴウの大型車は最下位になった。
ゴウは四角い箱のようなものを発見した。
「これは、何だ?」
「アイテムの入った箱さ、使ってみな!」
ゴウはアイテムを使った。すると大型車がロケットになり猛スピードで他の車を弾き飛ばしながら進んで行った。
「ロケットか、運がいいな!」
カイは楽しそうに言った。
気づくとゴウは2位になっていた。
「この車の特徴も捉えたところだ、このまま1位を獲得するぜ。」
「なかなかやるじゃないか、お前にはこの技術を見せてやるぜ!」
レンは直線でドリブルをし加速させた。
「何だ、それそれは。」
「直ドリってやつさ。」
「こんなのリアルじゃありえないだろ。」
「ロケットを使っておいてそれはないだろ。」
レンは1位のままゴールした、ゴウは2位だった。
「1万円はお預けだな、次は誰が勝負する?」
「ハイハイハーイ!」
ノアは威勢よく手を挙げた。レンはノアにコインを渡した。
「私はバランスをとってこれで行く。」
ノアは中型車を選んだ。
3.2.1.Go!
「オラオラオラオラ!!!」
レンは直ドリで加速し容易く1位になった。
「それずるいよー。」
ノアは画面を凝視しアイテムを探しなが言った。
「やったー!ロケットだー!!!」
ノアは嬉しそうにアイテムボタンを押した。
「ハァ?」
レンはロケットを引き当てたことに納得がいかない様子だった。
「ロケットは最下位で30パーセントで出るはず、こんなのおかしい!」
「やっぱりロストマシンへの恋こがれる気持ちだよ!!!」
「言ってることが支離滅裂だぜ?!!!」
2回目のアイテムもノアはロケットを獲得した。
「ふざけるなあああ!!!」
レンは天文学的数字を引き当てたことに怒りを覚えた。
「こっちはたくさん練習して直ドリを覚えたのに2回もロケット?次は勘弁してくれよ。」
3回目のアイテムをノアが獲得した。だがロケットは出なかった。そしてレンがギリギリ1位でゴールした。
「危ねぇ、1万円もってないのに勝たせちまうところだった。」
レンは冷や汗を拭うと「もうコリゴリだ、帰る。」
そう言い椅子を立った。
「待った。」
カイはレンを呼び止めた。
「俺とレースゲームがしたいのか?俺はもうしないからな!」
「いや、そうじゃない、僕はバイクしか運転しないと決めてる。そうではなく地下レースの件だ。」
「何だ、お前、興味があるのか?」
「僕と勝負しよう、僕が勝ったら副総長の座を譲ることを誓え。」
レンはそれを聞くとクククと笑いだした。
「面白い!レースはスリルがあればあるほど面白い!」
「その代わり俺が負けたら俺を好き勝手にしろ。」
「分かったよ、レース会場で待ってるからな!」
レンはゆっくりと立ち上がるとカイを指さし勝負を宣言した。




