表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/106

礼儀作法〜テレサ編〜

お花畑を駆け回る野うさぎ。

それを愛でる麦わら帽子をかぶった少女。

そんなモチーフでシーツに刺繍した結果。


完 徹!


刺繍は仕上がったけどさ、チョーカーの色は戻らなかった。


ああ、今見てる朝日が私にとって最期の朝日かもしれない…。

シーツ片手に私は薄っすら涙を浮かべたのだった。

「失礼致します。」

そう言って入室したのはスチュワート。

足音でわかるから声かけもノックも不要なのだが、それを言うと異常者と丸わかりなので黙っておく。

「…既にお目覚めでしたか。」

「と、いうか寝てないのだけどね。」

「左様ですか。…それは…」

彼の視線がシーツに移動する。

「あ、作品。処理よろしく。」

畳もせずそれを渡した。

「………かしこまりました。」

スチュワートは膝をつき端と端をきっちりと合わせて折りたたむ。

どうせ捨てるのに几帳面だなぁ。

畳終わったそれを腕にかけスチュワートは立ち上がる。

「お食事が整ってございます。」

「あと何回食べれるのかしらね…」

「は?」

「あ、こちらの話。」

「…何度でも食べれると思いますよ。

…食べたくなればいつでもご実家なのですから。

私ならお連れ出来ます。」

「…?」

はて、一体なんの話をしているのか。

まあ、スチュワートの頭の中身は一生理解不能なので捨て置く。

前を歩いて先導するスチュワートに続いて食堂へと移動する。

「…あれ?」

ふと、彼の足音がいつもと違うことに気づいた。

こう、足を引きずっているような?

「いかが致しました?」

わざわざ立ち止まってスチュワートは問いかけた。

「いや、足…」

「…大したことではございませんので、お気になさらずに。」

気にするな?

うん、なんかあったか…って、あ!

お父様が蹴ったところが痛んで引きずっているのか!

あー、スッキリした!

しかし、そんな引きずるほど痛むのかね?

軽くではなかったが、そんな翌日まで響く程とは。

そんな蹴りを娘に入れようとは父も頭がおかしいと思う。

私は適当に頷いて先を促す。

彼はまた歩きだした。



食堂で朝食をとった後、私は学園に行く。

昨日同様、私は遠巻きにされていた。

なんと心地よいのか。

しかし、授業開始時刻になっても殿下とアリスは現れない。

ザック様とリュド様は普通にいるのに。

しまった、伝達魔法のピアスは再びお蔵入りにしてしまったよ。

やはり、今後はつけておくべきか。

それか、魔法使いとして覚えるべきか。

…いや、伝達魔法なんて覚えたら、メッセージを受信しまくって面倒くさそうだ。

他人と縁を切るには連絡手段をかき消すに限る。

「アリス様が登校されてない…」

「もしや、アリス様の身に何か…!?」

「それを殿下が助けてらっしゃる…?」

「まだ諦めてないのか、女狐が。」

「さっさと破棄されればいいのに。」

小声でひそひそ語られる。

心弱い人なら俯いてしまいそうだが、生憎私はか弱い令嬢ではない。

私は教科書片手に予習に勤しむ。

「リュド様ぁぁぁぁ!」

視界の端でルナ嬢がリュド様にタックルを仕掛けていた。

面白いので予習するふりして見てみることにする。

「な、何!?」

かなり体を引いてリュド様はルナ嬢に問う。

「昨日はどうなったんですかぁぁぁ?

ルナ、すっっっごく気になってぇぇぇ!

これは、殿下の側近、天才魔法使いのリュド様に聞かなくてはっと思い聞きにきましたのぉぉ!

やはり、リナ様は破棄されちゃったんですかぁあ?

いや、リナ様は令嬢としては優秀だなって思うんですよ、嘘じゃないです、お世辞が半分以上なだけで。

でも、やはり、恋物語の主人公たるアリス様と殿下がくっついたら最高だなぁぁって思うんですよねぇぇ。」

くしゃっ

ノートに皺がよる。

機会があったらしめようと心に誓った。

てかさ、あんだけ私にすり寄ってきてた癖に旗色悪くなった途端アリス側に行こうとするその変わり身の早さ!

貴族として当然なのだが、ああもあからさまだと流石の私もどつき倒したくなる。

頭の中でモンスター狩る時どさくさに紛れてやっちゃおうぜ!と英雄様が言ってくる。

いつもなら即却下だが、今日に限っては一瞬考えてしまった。

「ルナ嬢、少し落ち着きたまえ。あと君はリナ嬢の友人だろう?」

「えーーーー?なんの話ですかぁ?

夢でも見たんですかぁ?まだ見てます??

朝ですよーーー!おーーきーーてーー」

なんと、リュド様の耳を引っ張り大声出しやがった。

酷く迷惑そうなリュド様。

こちらを見たがさっと視線をはずした。

だって友人じゃないし。

「こほん、昨日、アリスは陛下と初の謁見をした。」

「わぁぁぁ!男爵令嬢が、陛下と直接御目通りって本当すごいですよねぇ!

私は一生縁のない話だわぁ。

それで?二人は認められてハッピーエンド?

今はアリス様は花嫁授業中??」

あながち間違ってはいないルナ嬢の問いかけにリュド様は軽く頷く。

「…結果としてアリスは来月行われる王家主催の舞踏会に招かれた。」

「すごーーーーーーい!王家主催の舞踏会なんて、憧れるうう!

いいなぁ、美味しい食べ物いっぱいあるんだろうなぁ。

牛肉でるのかなぁ。鯛とか伊勢海老とか鮑とか…」

そんなに食べたいか。

憧れるポイントおかしくない?

「そこで結果を残せば王妃として認めてもよいと陛下は仰った。」

わぁぁぁ!

周りでこっそり耳をダンボにして聞いてたクラスメイトは拍手喝采、歓喜した。

「やったあ!これでアリス様は王妃様!」

「俺は元々そうなると思ってた!」

「我が家からお祝いの品を贈らなくては!」

「男爵を我が家のパーティーにお呼びしよう!」

そして、ちらっと私を彼らはみる。

「あの人はどうする?」

「未来の王妃を害そうとしたんだ。

関わればろくな目に合わない。」

「なんのお咎めもなく終わるのか…」

「恋物語なら悪役は死ぬのにね。」

「こらこら、死ぬなんて…ねぇ?」

「あの人図太いから…」

死ぬに関しては笑えない。

命のカウントダウンが始まってる身としては。

「今日こないのはやっぱり花嫁修業だったんですね!!!」

「まあ、王妃教育と聞いているが。」

おや?

学園終了後って言ってなかったか?

聞き間違ってはいないと思うが。

「王妃教育!ああ、アリス様が遠いお方に…」

私もしてましたよ。

私は遠くなかったんですか、そうですか。

その後もアリスに関する情報をひとかけらでも得ようとまとわりつくルナ嬢をリュド様はなだめすかして失敗して遂に魔法を使って行方をくらませたのだった。

この子もアリス並み…いや、本物の貴族でありながらこの態度なあたりある意味アリス以上にやばいと思うんだが…。

なーんで、誰も突っ込まないのか…。

素朴な疑問を感じつつ、学園での授業を終えたのだった。



そして、予定通り学園から王城へ。

レッスンルームに向かった。

その途中、学園の制服を着たアリスを視界の端に捉えたが気づかないふりして通り過ぎた。

この子学園に来てないのになんで制服着てるんだろう。

私が無視してもアリスは私の存在に気づいた途端走ってこっちまでやってきた。

「リナさーーん!」

「まあ、アリス様ご機嫌よう。」

「こんにちは!これから一緒に頑張りましょうね!」

「ええ、ところで、学園にはいらしてなかったようですが?」

「実は宿題が終わらなくて…」

早速事前課題が出されたか。

「内容は?」

「刺繍です。」

「あー、テレサ様は刺繍大好きですから今後もチクチクやらされますよ。」

「そーなんですか!?私、穴の空いた靴下を繕ったりは出来るんですけど、こんな飾りはつけたことなくて時間かかっちゃいました!」

靴下が繕えるならまあ、後は慣れか。

淑女の趣味はクリアと言っていいかもしれない。

幸先いいではないか。

私達は並んでレッスンルームに入る。

既にテレサ様はいらしていた。

「お待たせして申し訳ありません。」

私は一礼する。

「いいえ、私が早く来すぎただけですよ。

….と、いうやりとりが必要なのはアリスさんはお分かり?」

「あ、っと…は、はい!」

「では、遅い!アリスさんはやり直し。」

「はい…えっと、『お待たせして申し訳ありませんでした。』」

「この後に付け加えるとしたら何を付け加えますか?」

「笑顔?」

「ごめんなさいと謝ってる人間は笑顔を付け加えません。」

「泣き顔?」

「そこまで謝られても困りますし、出来るんですか?」

「無理です…」

「では、明日までに泣きたい時に泣けるようにしてください。」

「はあ!?」

アリスの驚愕した声が響く。

「淑女の嗜みは笑顔と泣き顔。これが、ワンセットです。

うまく使いこなしての淑女です。

では、リナさん、貴女なら何を付け加えますか?」

「すぐに準備を整えますと一言付け加え実際に動きます。」

「その通り。例え待たせたわけでなくても目上の人が自分より先にいれば急ぐのが常識!

さあ、二人とも準備して!」

「はい!」

元気よく返事を返してアリスは走る。

しかし…

「こらっ!」

足元に鞭がはしった。

革製の長鞭である。

「ひっ!?」

驚いて飛び上がるアリス。

「淑女が走らない!急ぐ時は競歩!」

「きょ、きょうほ?」

「早歩き。」

私が小さな声でフォローする。

「あ、成る程…」

「いいですか?淑女たるもの絶対に走らない。

たとえすぐ隣で攻撃魔法が炸裂しようとも!」

「え?さすがにそれは…」

「そういう時はすぐ近くにいる殿方を盾にするのです。」

「え!?殿下を!?」

アリスが驚愕の声をあげる。

しかし、すぐ近くにいる殿方と聞いて真っ先に殿下を想像するとは。

私はスチュワートだったよ。

「誰が殿下を盾にしろと言いましたか。

王妃になれば24時間365日体制で護衛騎士がつきます。

万一の時は彼らを盾にするのです。」

「そんなこと出来ません!」

「それは義務です!王族に嫁ぐ者全ての義務と心得なさい!」

「いいえ!それはおかしいです!

自分が助かる為に他人を盾にするなどあってはならないことです!」

「王妃はそれが許される存在なのです。

貴女の身が危険に晒されるということは国の一大事である事が大半!

賊の狙いは国の滅亡でなのです!

ここで王族全てが死に絶えたら賊の思い通り。

王族が一人でも生きていれば国の再興が可能なのです!

貴女には生きて国の再興の先導者となる義務があるのです。

故に勝手に死ぬことは許されないし、護衛騎士が生き残って貴女が死ねば護衛騎士は一族諸共死刑です。

いいですか?王族に嫁いだ瞬間からその命は余す事なく国の物だと思いなさい!」

「そんな…!」

「ですが、何事も例外があります。」

「例外?」

「さて、それは何かリナさんはお分かり?」

いきなりボールが飛んできたが大した質問ではない。

「はい、賊が王と御子に剣を向けた時です。」

「エクセレント!そう、王妃は元々は格下貴族。

王家の中で真っ先に死んでいいのが王妃。

故に、彼らのためなら命を惜まずその身を盾にして死になさい。」

「え、えーっとえーっと…つまり、王妃様は王族だから国の再興の可能性を秘めており、生き残るべき存在だけど、価値は産まれながらの王族に比べれば低いから真っ先に死ねってことですか?」

「エクセレント!」

「よかった!殿下が私を守って死ぬのは凄く嫌だもの!」

にこっと笑うアリス。

この子図太いなぁ。

死ぬの嫌だなとかないのかしら?

「そう、命を惜まないところは貴女の長所と致しましょう。」

おおっ!

テレサ様がお認めにっ!

私は長所を認めて貰うのに一年かかりました。

因みに私の長所は他人を切り捨てる事に躊躇いがないだった。

「しかし、貴女のその笑い方は下品です。」

「わ、笑い方?」

「淑女の笑い方は『ほほほ』もしくは『ふふふ』です。」

「えー…」

「えー…じゃありません。学園で周りの令嬢見てればわかるでしょう?」

言われて彼女は考え込む。

「…言われてみれば…」

「わかりましたね?では、笑ってください。」

「ほ、ほほほほ…」

「表情が硬い!」

「ほほほほほ」

「まだまだ!優雅さが足りません!」

「ほーっほほほ」

「いい調子です!今日はそのまま笑い方の練習といきましょう!」

「ほーっほっほっほっ!」

笑い方って練習するんだ…。

私は生まれた時から『ほほほ』もしくは『ふふふ』だったからその練習はしたことなかった。

「ほら!リナさんもご一緒に!」

「ほーっほっほ!」

高らかに笑いあげる。

「さすが、公爵令嬢!気迫が違いますね!」

褒められたんだけど、素直に喜べない。


結局、今日一日、笑い方の練習で終わった。


「さて、リナさんは今日はここまでにしましょう。」

私はってことはアリスはまだまだ続くのか。

まあ、泊まり込みだもんな、これで終わられては困る。

「では、昨日出した宿題の提出を」

「はい。」

言って彼女は徹夜で仕上げたという刺繍を渡した。

「モチーフは自由としましたが、これは?」

「はい!お花です!」

「花の種類は?」

「たんぽぽです!」

「何故それを?」

「黄色の糸が余ってたので。」

そういう理由でモチーフを選ぶ人初めてみた。

因みにたんぽぽは上手だ。

見てすぐたんぽぽとわかる。

「次回から花をモチーフにするなら季節の花か薔薇、百合にしなさい。」

言われて私は昨日仕上げた花畑を思い出す。

やっべ、季節無視、薔薇も百合もなかったわ!

…まあ、スチュワートが証拠隠滅してくれるだろう。

「なんでですか?」

「大抵の令嬢が刺繍で花を選ぶ時はそれをモチーフにするからです。」

「みんなと違う方がいいなぁ」

「皆と違うのがいけないという訳ではありません。

それを踏まえて聞いてください。

まず、令嬢の趣味と言えば刺繍です。

10人いたら8人は趣味として刺繍をあげるくらいポピュラーな趣味です。

つまり、話題にのぼりやすいのです。

これがどういうことかわかりますか?」

「…?」

「リナさん?」

「はい、舞踏会、お茶会での会話の種となります。」

「そうです、会話を始めるとっかかりになるのです。

その時、最近作った作品の話になるのはほぼ確実。

その時、自分と同じものを刺繍した令嬢がいたら?」

「あ!会話が弾む!」

「そう、そこから仲良くなれるのです。」

「おー。」

「会話とは仲良くする為にするもの。

ならばとっかかりしやすくするのが一番。

故に花のモチーフならば薔薇や百合、季節の花。

動物ならウサギや猫、小鳥と相場が決まっているのです。」

「うーん、そうはわかってもつい身近なたんぽぽを私は選んじゃいますね。」

「たんぽぽが身近な生活の是非はこの際置いておくとして、たんぽぽモチーフが絶対ダメという訳ではありません。」

言ってテレサ様は私を見る。

「事実、リナさんは花のモチーフで一番多いのは季節無視してひまわりですし、秋には毬栗(いがぐり)を必ず投入してきます。」

すみませんね、変わり者で。

特に秋の栗はそれとなく止められるのを毎回無視して提出してました。

「しかし、それは誤りか、といえばこれも正解。

珍しいモチーフも話題になるからです。

たんぽぽだって話題になるのです。」

「ならいいですね!」

「ただし!」

テレサ様が待ったをかける。

「影響力のある女性がやるのは少し考えものです。」

「え?」

「流行りますよ?間違いなく。」

「はやる?」

「皆が真似するんです。貴女と仲良くなりたい令嬢が貴女に近づくとっかかりにすべくたんぽぽを、刺繍してくるんです。」

「私、影響力あるんですか?」

「今も王妃候補、殿下の最愛である貴女に興味のない令嬢はいないと申し上げて差し支えないでしょう。

これが本格的に王妃となれば、貴女のやることなす事全てが真似されます。」

「たんぽぽくらいで大げさな。」

「たんぽぽくらいなら笑えますが、着るもの飾るもの全てが流行ります。

それで国力を他国の人間はみるのです。

ですから王妃候補ならばそのみすぼらしい制服はやめましょう。」

「え!?学園の制服ですよ!?礼服ですよ!」

「準礼服です。ここは王城。準礼服は礼儀作法違反です。」

「昨日この格好で王様と会った。」

「独裁国家なら打ち首でしたね。」

「えっ!そんなダメなの…?」

その言葉にテレサ様は頷いた。

「いけません。貴女の失敗は国の恥。皆が貴女に注目しています。成功も失敗も全て見られているのです。

貴女の成功を喜ぶ人の倍貴女の失敗を喜ぶ人間がいると知りなさい。

決して気を抜かず、自分の行いが流行り廃りを生み出すほどの、影響力を理解しなさい。」

「うわぁ….。」

「どのような状況に置かれても正しい判断ができるようにする。

それが王妃教育の目標です。

礼儀作法は極論を申し上げればハッタリです。

頭がアッパラパーでも礼儀作法が正しければその瞬間はバレません。

いかに自分の無知を晒さないかが目標なのです。

だから、厳しくいくのです。

馬鹿とバレれば我が国の正当な利益が他国に流れる可能性が高まるのですから。」

「なんで馬鹿だとお金がなくなるんですか?」

「馬鹿ならちょろまかしてもバレないだろうと思うのですよ。」

「そんな!ひどい!騙すのはよくないです!」

「しかし、そのちょろまかした分で国民の腹が満たされるならば自身の手を悪事に染めても構わないと考える政治家は多いのです。」

「そんなお金で買ったパンでお腹が満たされても…」

「それは真に飢えたことがないのです。

山が丸裸、畑は干からび、生きる為に夫を殺してその肉で生きる妻子を知らないのです。」

「…そんな国が…!?」

「あります。彼らからしたら私たちの物は騙してでも手に入れたいでしょう。」

「私なら分け与えるのに…」

「貴女だけで国を運営するわけではありません。

その国に援助するならその法案を通す為の準備が必要です。

貴女が王妃にもし慣れたらやってみればよろしいかと思いますよ。」

「はい!絶対にやってみせます!」

キラキラした目で言うアリス。

眩しいなぁ。

「さて、話が長くなりましたが、次は明後日が礼儀作法の授業になります。

それまでに、笑い方を直して、泣けと言われたら泣けるようにしてください。

あと、ネクタイに刺繍を入れるように。

殿下のものとわかるように刺繍すること。」

「…殿下のものとわかるように?」

アリスは無地のネクタイを受け取りながら首を傾げた。

「はい。これはリナさんもやりましょう。」

言って私にもネクタイを手渡した。

うわっ!久しぶりの刺繍課題きた!

私は嫌な顔をする。

「リナさんには見本となる素晴らしい作品を期待してますよ。」

言われて私の顔はひきつったのだった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ