表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『君の笑顔が可愛すぎで好きだった!』  作者: 優貴(Yukky)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

425/472

第25話 「M&M」

東京・新オフィス。

白を基調にしたフロアには、まだ何も“完成された会社”の匂いがない。

段ボール、ノートPC、仮の机。

それでも空気だけは、やけに前に進んでいた。

壁に掛けられたロゴ。

MIYU & MAYU

その下に小さく書かれている通称。

M&M

美優がそのロゴを見上げる。

「お菓子みたいだね」

真優が横で即答する。

「それ言われると思った」

プロデューサーが説明する。

「ここからはブランドじゃなくて、企業です」

「アパレル事業部ではなく、“会社”です」

空気が少し変わる。

マネージャーが資料を配る。

そこには新しい組織図。

CEO:美優

COO:真優

その下に並ぶ名前。

美優は目を止める。

「この人たち、本当に来るの?」

真優が言う。

「もう返事もらってる」

翌日。

新オフィス・初出社日。

ドアが開く音。

最初に入ってきたのは、玲美愛。

明るい雰囲気のまま、周りを見回す。

「え、思ってたよりガチなんだけど」

続いて、真衣。

無言で資料を机に置く。

「ここ、ちゃんと仕事する場所ですね」

最後に、玲美菜。

少し緊張した様子で立つ。

「よろしくお願いします……!」

空気が一気に“会社”になる。

美優が三人を見る。

「全員来たんだ」

真優が横で言う。

「呼んだからね」

ミーティングルーム。

初会議。

美優が言う。

「この会社は、普通のアパレルじゃないです」

玲美愛が軽く手を上げる。

「普通じゃないって、どのレベル?」

真優が即答する。

「全部」

少し笑いが起きる。

美優は続ける。

「ブランドを作るんじゃなくて、“文化を作る”」

玲美菜が小さく息をのむ。

真衣が言う。

「それ、かなり抽象的ですけど」

美優は頷く。

「今はそれでいい」

真優が資料を出す。

「最初のコレクション、テーマは決まってる」

《MIRROR(鏡)》

玲美愛が言う。

「鏡?」

真優が説明する。

「見る側と見られる側じゃなくて」

一拍。

「同じものを映す関係」

美優が静かに言う。

「私たちそのまま」

少し沈黙。

でも否定する人はいない。

玲美菜がぽつりと言う。

「なんか……怖いですね、それ」

美優が少し笑う。

「怖いくらいでちょうどいい」

その夜。

オフィスはまだ明るい。

誰も帰らない。

真優が窓の外を見ながら言う。

「会社、作っちゃったね」

美優が椅子に座ったまま答える。

「まだ途中」

真優が振り向く。

「どこまで行くつもり?」

美優は少し考える。

「終わりがないところまで」

真優は笑う。

「やっぱりそういう人」

オフィスの電気が一つずつ落ちていく。

でも、M&Mだけはまだ止まらない。

それはブランドではなく、会社でもなく。

“二人の延長線”として動き始めていた。

第25話 完

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ