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『君の笑顔が可愛すぎで好きだった!』  作者: 優貴(Yukky)


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第23話 「放送後」

生放送が終わった瞬間、空気が一気に緩んだ。

スタジオの熱気だけが残って、照明の明るさだけが現実に戻してくる。

「お疲れ様でした!」

スタッフの声。

拍手。

でも、美優と真優だけはまだ“番組の中”にいた。

楽屋へ戻る廊下。

二人は並んで歩く。

さっきまでの距離感が、少しだけ曖昧になっている。

真優が言う。

「今日さ」

美優は前を向いたまま。

「うん」

「変なこと言ってた?」

美優は少し考える。

「言ってた」

即答。

真優は小さく笑う。

「やっぱり」

楽屋。

ドアが閉まる。

一気に静かになる。

美優はソファに座る。

真優は鏡の前で髪を整える。

スマホが鳴る。

止まらない通知。

トレンド上位。

切り抜き動画。

「美優と真優やばい」

「この空気なに?」

「距離感バグってる」

真優がちらっと見る。

「もう切り抜かれてるね」

美優はスマホを見ない。

「いつも通り」

真優が少しだけ笑う。

「それが一番問題なんだけど」

数分後。

マネージャーが入ってくる。

「かなり反響すごいです。番組側も次呼びたいって」

プロデューサーも後から入る。

「これ、シリーズ化できますね」

美優は即答しない。

真優も同じ。

少し間。

真優が言う。

「ねえ」

美優が見る。

「なに」

「さっきの番組さ」

一拍。

「楽しかった?」

美優は少しだけ目を細める。

「楽しいっていうか」

言葉を探す。

「ちゃんと仕事だった」

真優は少し笑う。

「それっぽい」

スマホがまた鳴る。

今度は海外メディアからの取材依頼。

ブランド、映画、テレビ。

全部が一気に繋がっていく。

美優は画面を見て、小さく言う。

「もう止まらないね」

真優も頷く。

「止める理由もない」

廊下の向こうが騒がしい。

次の番組の準備。

別の世界が動いている音。

真優が立ち上がる。

「じゃあさ」

美優を見る。

「これからも一緒に出ること、増えるよね」

美優は少し間を置く。

「増えるんじゃなくて」

立ち上がる。

「増やす」

真優は一瞬黙る。

そして笑う。

「やっぱりそういう人」

ドアが開く。

外はもう次のスケジュールで埋まっている。

でも二人の歩き方だけは、さっきより少しだけ揃っていた。

第23話 完

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