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『君の笑顔が可愛すぎで好きだった!』  作者: 優貴(Yukky)


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第6話『世界配信のステージ』

――海外・イベント当日。

会場は、昨日までとは明らかに空気が違っていた。

照明はさらに強く。

スタッフの数も倍以上。

そして、観客席の後ろには巨大な中継カメラ。

「世界配信中」のランプが赤く点灯している。

武田真優は、ステージ袖で静かに息を整えていた。

(世界中に……見られてる)

そう思った瞬間、心臓が一度強く跳ねる。

エミリーが横に立つ。

「今日は緊張する必要はありません。でも、逃げることもできません」

真優は少しだけ笑う。

「それ、どっちも無理ってことですよね」

「そうです」

即答だった。

ステージの奥から歓声が響く。

司会の声。

カウントダウン。

そして――

「Now welcoming… MAYU TAKADA!」

その瞬間。

会場の空気が爆発するように揺れた。

武田真優は一歩踏み出す。

フラッシュ。

世界中のカメラ。

画面越しの無数の視聴者。

(……すごい)

でも、昨日ほど怖くはない。

むしろ、どこか静かだった。

マイクの前に立つ。

司会が英語で話す。

速い。難しい。

でも今回は、少しだけ聞き取れる。

「あなたにとって、この作品とは?」

エミリーが補足する必要もなかった。

真優は自分で息を吸う。

「This work is… my new beginning」

一瞬、間が空く。

自分の英語が正しいかどうか分からない。

でも続ける。

「I was… very afraid. But now, I am here」

言いながら、少しだけ笑ってしまう。

その瞬間だった。

客席から拍手。

そして、配信越しのコメント表示スクリーンも流れる。

『Amazing』 『She’s growing』 『Real protagonist』

真優は目を見開く。

(……見えてる)

届いている。

その後の質疑応答も続く。

だが、真優はもう逃げていなかった。

言葉は完璧じゃない。

でも、意味は届いていく。

イベント終了後。

ステージ裏に戻ると、足の力が一気に抜ける。

「……終わった」

小さく言うと、エミリーが頷く。

「始まりです」

真優は少し笑う。

「どっちですかそれ」

その夜。

ホテル。

真優はスマホを開く。

世界ニュースサイト。

『MAYU TAKADA gains global attention』 『Next-generation actress drawing worldwide interest』

画面を見ながら、静かに息を吐く。

「ほんとに……世界だ」

その頃、日本。

美優もまた、自分のCMが全国放送されている映像を見ていた。

テレビの中の自分は、どこか遠い。

(すごいな、真優)

そう思いながらも、胸の奥が少しだけざわつく。

同じ夜。

別の場所で。

同じ時間に。

二人はそれぞれ違う“成功の音”を聞いていた。

けれど、その音はまだ――交わらない。

第6話 完

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