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『君の笑顔が可愛すぎで好きだった!』  作者: 優貴(Yukky)


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第4話『美優、日本CM女王の道へ』

――同時刻・日本。

武田真優が海外の空気に飲み込まれていたその頃。

日本では、別の“動き”が始まっていた。

スタジオの照明が落ちる直前。

美優は、カメラの前に立っていた。

「はい、オッケーです!」

監督の声が響く。

「美優さん、今の表情最高でした!」

スタッフの拍手。

美優は少しだけ照れながら頭を下げる。

「ありがとうございます!」

だがその目は、どこか真剣だった。

最近、美優の仕事は明らかに変わっていた。

ドラマの脇役から始まったはずなのに。

今では――CMのオファーが途切れない。

飲料メーカー。

コスメブランド。

大手アパレル。

気づけばスケジュール帳は、ほとんど撮影で埋まっていた。

「またCM決まったよ」

マネージャーが軽く言う。

美優は目を丸くする。

「え、また!?今月何本目?」

「4本目」

「多すぎでしょ!」

そう言いながらも、表情は嬉しそうだった。

撮影後の控室。

美優はペットボトルの水を飲みながらスマホを開く。

グループチャット。

『真優:今からリハーサル』 『葵:仕事終わり』 『玲奈:資料整理中』

それぞれ、違う場所で動いている。

美優は少しだけ笑った。

「みんなバラバラに忙しいなぁ……」

その時、マネージャーが声をかける。

「次の案件、ちょっと大きいよ」

「どれくらい?」

資料を渡される。

そこに書かれていたタイトル。

『全国放送・大型飲料CMシリーズ 起用候補』

美優は固まった。

「これって……」

「ほぼメイン候補。決まればシリーズの“顔”」

数秒、静かになる。

そして――

美優は小さく息を吸った。

「やります」

即答だった。

撮影現場が変わっていく。

カメラの数が増えた。

照明が増えた。

スタッフの人数も一気に跳ね上がる。

それでも美優は、どこか楽しそうだった。

「はい、本番いきます!」

監督の声。

カメラが回る。

美優は走り出す。

笑顔。

自然体。

でも、その一瞬に“目を引く強さ”があった。

撮影終了後。

監督がぽつりと言う。

「この子、CM強いな……」

スタッフが頷く。

「表情が“覚えられる”んですよね」

「もう広告向きの才能だな」

その夜。

事務所に戻る車の中。

美優は窓の外を見ていた。

「CM女王かぁ……」

小さくつぶやく。

まだ誰にも言われていない肩書き。

でも、少しだけ現実味が出てきていた。

スマホが鳴る。

真優からメッセージ。

『海外どう?』

美優は少し笑って返す。

『こっちはCMだらけになってる』

少し間を置いて、もう一通。

『負けないからね』

送信して、空を見上げる。

同じ頃。

海の向こうで、武田真優はまだ知らない。

日本ではもう一人、別の形で“世界への階段”を上がり始めていることを。

そしてその二つの道は、いずれ――交わる。

第4話 完

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