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『君の笑顔が可愛すぎで好きだった!』  作者: 優貴(Yukky)


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第91話 『届いた一本の連絡』

新人声優アワードから三日後。

真優は事務所のレッスンルームにいた。

受賞後も生活は大きく変わらない。

朝は発声練習。

午後はアフレコ。

空いた時間は台本読み。

いつも通りだった。

だが――。

事務所の空気だけは違った。

すれ違う先輩声優たちから声を掛けられる。

「おめでとう」

「見てたよ」

「頑張ったな」

そのたびに真優は照れていた。

「ありがとうございます……」

まだ慣れない。

新人賞の実感も完全には湧いていなかった。

そんな時だった。

マネージャーが慌ててやってくる。

「真優さん!」

「はい?」

「今すぐ会議室へ!」

「え?」

何事だろう。

真優は首を傾げながら後を追った。

―――

会議室。

そこには見慣れない男性がいた。

スーツ姿。

年齢は四十代くらい。

どこか鋭い雰囲気を持っている。

真優は緊張した。

男性は微笑む。

「初めまして」

「私は新作アニメ『スターライト・クロニクル』のプロデューサーです」

真優の目が丸くなる。

スターライト・クロニクル。

今、業界中が注目している超大型企画だった。

原作は大人気ライトノベル。

アニメ化発表だけで大きな話題になっている。

「え……」

言葉が出ない。

プロデューサーは続けた。

「今日はお願いがあって来ました」

会議室が静まる。

真優はごくりと唾を飲んだ。

「主人公のオーディションを受けていただけませんか」

―――

一瞬。

時間が止まった気がした。

「……私が?」

思わず聞き返す。

「はい」

プロデューサーは頷く。

「新人賞受賞前から注目していました」

「あなたの演技には人を惹き付ける力がある」

真優は信じられなかった。

主人公。

しかも超大型作品。

新人には夢のような話だった。

マネージャーも少し興奮している。

「凄いチャンスだよ」

真優は小さく息を吐いた。

手が震えていた。

怖い。

でも。

挑戦したい。

そう思った。

「受けます」

真優は真っ直ぐ答えた。

プロデューサーは笑った。

「ありがとうございます」

―――

その日の夜。

真優たちはいつもの四人で集まっていた。

美優。

葵。

玲奈。

そして真優。

真優が事情を説明すると――。

「えええええ!?」

美優が立ち上がる。

「主人公!?」

葵も驚く。

「スターライト・クロニクル?」

玲奈は固まっていた。

「業界最大級の作品ですよ……」

真優は苦笑した。

「私もまだ信じられない」

だが。

次の瞬間。

美優が笑った。

「絶対受かれ!」

葵も頷く。

「真優ならいける」

玲奈も微笑んだ。

「応援しています」

胸が温かくなる。

真優は改めて思った。

一人じゃない。

みんながいる。

だから前に進める。

―――

帰宅後。

机の上にはオーディション用の台本。

真優は静かに開く。

主人公のセリフを読む。

難しい。

感情の起伏が激しい。

求められる演技レベルも高い。

でも。

不思議とワクワクした。

新人賞を取った。

夢が一つ叶った。

けれど。

夢の終わりじゃない。

ここからが本当のスタートだ。

真優は台本を握りしめた。

そして静かに呟く。

「絶対に受かりたい」

窓の外には夜空。

新しい挑戦が。

もう始まっていた――。

第91話 完

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