第76話「合宿二日目と突然のトラブル」
翌朝。
午前六時。
真優 「おはようございまーーーす!」
葵 「うるさい」
美優 「まだ眠い」
真優 「朝だよ!」
葵 「知ってる」
美優 「知ってる」
真優 「元気出そう!」
葵 「出ない」
美優 「出ない」
真優 「息ぴったりだね」
葵 「真優がうるさいだけ」
美優 「それ」
真優 「ひどい!」
朝食会場。
真優 「いただきます!」
美優 「朝からよく食べるね」
葵 「本当に」
真優 「だって今日はいっぱい動くもん」
美優 「確かに」
葵 「それはそう」
スタッフ 「おはようございます」
真優 「おはようございます!」
スタッフ 「今日はレッスンの後に」
スタッフ 「ファン向け動画撮影があります」
真優 「動画!」
美優 「楽しそう」
葵 「何するんですか?」
スタッフ 「まだ秘密です」
真優 「気になる!」
午前。
ダンスレッスン。
先生 「本番を想定して通します」
真優 「はい!」
音楽が流れる。
三人は全力で踊る。
先生 「ストップ!」
美優 「ふぅ……」
葵 「汗すごい」
真優 「楽しい!」
先生 「元気なのはいいけど」
真優 「はい!」
先生 「体力配分も考えて」
真優 「はい……」
葵 「また怒られてる」
美優 「いつものこと」
真優 「違うもん!」
昼休憩。
三人が休んでいると。
スタッフが慌ててやって来た。
スタッフ 「大変です!」
真優 「え!?」
美優 「どうしたんですか?」
葵 「何かあった?」
スタッフ 「イベント用の映像データが開けません!」
三人 「えええ!?」
スタッフ 「パソコンのトラブルみたいで……」
真優 「大丈夫なんですか?」
スタッフ 「確認中です」
美優 「結構まずい?」
スタッフ 「かなり」
葵 「……」
空気が重くなる。
イベントの準備は順調だった。
だからこそ。
突然のトラブルは大きかった。
会議室。
スタッフたちが集まる。
真優たちも呼ばれた。
スタッフA 「バックアップはあります」
スタッフB 「ただ編集途中の部分が消えています」
真優 「そんな……」
美優 「復旧できますか?」
スタッフB 「時間との勝負です」
葵 「イベントまで三週間」
スタッフA 「急がないと間に合わない」
静かな空気。
その時。
真優 「なら!」
全員が見る。
真優 「撮り直そう!」
スタッフ 「え?」
真優 「消えたならまた作ればいい!」
美優 「真優……」
葵 「簡単に言うな」
真優 「でも!」
真優 「諦めるよりいい!」
スタッフたちは顔を見合わせる。
監督も考える。
そして。
監督 「……そうだな」
真優 「!」
監督 「まだ時間はある」
監督 「撮り直そう」
スタッフ 「了解です!」
真優 「やった!」
美優 「本当にやるんだ」
葵 「真優らしい」
午後。
急遽。
動画撮影開始。
カメラマン 「準備OK!」
真優 「緊張する!」
美優 「さっきまで元気だったのに」
葵 「通常運転」
カメラが回る。
真優 「皆さんこんにちは!」
美優 「こんにちは」
葵 「こんにちは」
真優 「今日は合宿中です!」
美優 「イベントまであと少し」
葵 「ぜひ楽しみにしてください」
順調に進む撮影。
しかし。
休憩中。
監督が近づいてくる。
監督 「みんな」
真優 「はい?」
監督 「ありがとう」
美優 「え?」
監督 「正直焦ってた」
葵 「……」
監督 「でもみんなのおかげで助かった」
真優 「そんな」
美優 「私たちは普通のことをしただけです」
葵 「ですね」
監督 「それでも感謝してる」
三人は少し照れた。
夕方。
全ての撮影終了。
スタッフ 「終わりましたー!」
真優 「やったあああ!」
美優 「終わった……」
葵 「疲れた……」
真優 「でも達成感ある!」
美優 「それはある」
葵 「うん」
夕日が窓から差し込む。
二日間の合宿。
厳しいレッスン。
将来の夢。
仲間との時間。
そして突然のトラブル。
たくさんの経験をした。
真優 「イベント絶対成功させようね」
美優 「もちろん」
葵 「当たり前」
真優 「よーし!」
美優 「また元気になった」
葵 「回復早いな」
三人は笑う。
その笑顔には。
最初に出会った頃にはなかった絆が確かにあった。
そして。
イベント本番まで残り二週間。
彼女たちの挑戦は。
いよいよ最終段階へと進んでいく――。
第76話 完




