第60話「大阪への帰郷」
全国ツアーまで残り4か月。
アルバム制作。
アニメ収録。
雑誌取材。
毎日が忙しかった。
そんなある日。
担当マネージャー
「二人とも」
真優
「はい?」
担当マネージャー
「来週の三日間だけ休みです」
真優
「え?」
美優
「休み?」
担当マネージャー
「珍しくスケジュールが空きました」
真優
「やったー!!」
事務所中に響く声。
担当マネージャー
「静かに」
真優
「無理!」
美優
「無理らしいです」
その日の夜。
マンション。
真優
「帰ろう」
美優
「大阪?」
真優
「うん」
美優
「賛成」
東京も大切な場所になった。
でも。
大阪は特別だった。
育った街。
仲間がいる街。
思い出がある街。
そして。
翌週。
新大阪駅。
真優
「帰ってきたー!!」
美優
「久しぶり」
懐かしい空気。
懐かしい景色。
真優
「なんか落ち着く」
美優
「分かる」
駅を出る。
すると。
「おーい!」
真優
「あ!」
賢太郎。
玲美菜。
龍太郎。
玲美愛。
将規。
将信。
全員集合だった。
真優
「みんなー!」
玲美愛
「おかえりー!」
真優と玲美愛が抱きつく。
美優
「元気そう」
玲美菜
「そっちも!」
将規
「有名人になったな」
真優
「まだまだ!」
将信
「テレビで見る機会が増えた」
龍太郎
「ライブも成功したしな」
真優
「見てくれた?」
龍太郎
「もちろん」
賢太郎
「俺たち全員見たぞ」
真優
「嬉しい!」
その後。
みんなで街を歩く。
学校の近く。
商店街。
公園。
全部懐かしい。
真優
「変わってないね」
美優
「少し安心した」
夕方。
いつもの公園。
ベンチに座る。
みんなで話す。
進路。
将来。
夢。
賢太郎
「弁護士を目指してる」
玲美菜
「保育士になる」
龍太郎
「モデルの仕事が少しずつ増えてきた」
玲美愛
「私は教師を目指す!」
将規
「頑張れ」
将信
「みんな夢に向かってるな」
真優
「なんか嬉しい」
美優
「うん」
昔は。
ただの同級生だった。
でも今は違う。
それぞれの夢へ進んでいる。
そして。
夜。
将規
「そういえば」
真優
「?」
将規
「ツアー大阪公演」
美優
「うん」
将規
「絶対行く」
玲美愛
「最前列取る!」
龍太郎
「それは競争だな」
賢太郎
「負けない」
真優
「何の勝負」
みんな笑う。
その光景が嬉しかった。
東京へ行っても。
離れても。
変わらない関係。
それが何より嬉しかった。
帰り道。
真優
「また頑張れそう」
美優
「私も」
仲間たちからもらった力。
それを胸に。
二人は再び東京へ戻る。
全国ツアー。
アルバム制作。
大きな挑戦が待っている。
でも。
もう不安は少し減っていた。
支えてくれる仲間がいるから。
第60話 完




