第46話「主人公オーディション」
放送から数日後。
事務所。
真優
「おはようございます!」
美優
「おはようございます」
レッスン前。
いつものように事務所へ来た二人。
すると。
担当マネージャー
「二人とも、会議室へ」
真優
「え?」
美優
「何かありましたか?」
担当マネージャー
「いい話です」
真優
「本当ですか!?」
会議室。
机の上に一冊の漫画が置かれていた。
真優
「あれ?」
美優
「この作品……」
最近話題になっている人気漫画だった。
担当マネージャー
「アニメ化が決定しました」
真優
「おぉー!」
美優
「すごい」
担当マネージャー
「そして」
担当者は一枚の資料を差し出す。
真優
「?」
美優
「これは……」
そこに書かれていた文字。
『主人公役オーディション』
真優
「え?」
美優
「え?」
担当マネージャー
「参加してもらいます」
真優
「えぇぇぇぇ!?」
会議室に響く声。
担当者
「静かに」
真優
「だって主人公!?」
美優
「私も驚いてる」
担当者
「もちろん簡単ではありません」
担当者
「全国から実力者が集まります」
真優
「ですよね……」
担当者
「ですが」
担当者
「双子の主人公なんです」
真優
「!」
美優
「双子……」
担当者
「作品の主人公は双子の姉妹」
担当者
「だから二人にもチャンスがあります」
真優
「まさか……」
美優
「そんなことが」
担当者
「オーディションは一か月後」
担当者
「全力で準備してください」
真優
「はい!」
美優
「頑張ります」
その日の帰宅後。
マンション。
真優
「主人公だよ!」
美優
「まだオーディション」
真優
「分かってる!」
雷斗
「落ち着け」
真優
「無理!」
雷斗
「いつものことだな」
美優
「いつものこと」
三人は少し笑う。
しかし。
その後。
真優は真剣な表情になる。
真優
「取れるかな」
美優
「分からない」
真優
「怖いな」
美優
「うん」
初めての大きなチャンス。
だからこそ。
失敗も怖い。
その時。
雷斗
「一つだけ言う」
真優
「?」
美優
「?」
雷斗
「受かるか落ちるかは分からない」
雷斗
「でも挑戦しないと何も始まらない」
静かな声。
真優
「……うん」
美優
「そうだね」
雷斗
「全力で行け」
真優
「もちろん」
美優
「絶対に」
その夜。
双子の部屋。
机の上にはオーディション資料。
主人公の設定。
セリフ。
物語。
真優
「この子、私たちに似てる」
美優
「少しね」
双子の主人公。
夢を追いかける姉妹。
どこか自分たちと重なっていた。
真優
「取ろう」
美優
「うん」
真優
「二人で」
美優
「二人で」
拳を合わせる。
新人声優。
まだ小さな存在。
だけど。
夢は大きくていい。
主人公。
それは今までで一番大きな挑戦だった。
第46話 完




