第45話「放送の日」
初めてのアフレコから一か月。
ついに。
真優と美優が出演したアニメの放送日がやって来た。
マンション。
夜7時。
真優
「あと30分!」
美優
「落ち着いて」
真優
「無理!」
雷斗
「朝からそれしか言ってないな」
真優
「だって初出演だよ!?」
美優
「私も少し緊張してる」
雷斗
「少しか?」
美優
「かなり」
時計の針が進む。
7時55分。
真優
「心臓がうるさい」
美優
「同じ」
雷斗
「まだ始まってない」
そして。
8時。
アニメ放送開始。
オープニング。
真優
「きた!」
美優
「静かに」
真優
「はい」
二人ともテレビを凝視する。
物語が進む。
学校のシーン。
クラスメイトたち。
そして。
テレビ
「おはよう!」
真優
「!!!!」
美優
「出た」
真優
「今!」
美優
「うん」
真優
「私!」
雷斗
「分かる」
わずか一言。
数秒。
それでも。
確かに自分の声だった。
真優
「本当に流れた……」
少し目が潤む。
そして。
数分後。
テレビ
「そうなんだ」
美優
「……」
真優
「出た!」
美優
「うん」
自分の声。
テレビから聞こえてくる。
何度も練習した。
夢見てきた。
その瞬間だった。
放送終了。
エンディング。
スタッフロール。
真優
「探せ!」
美優
「落ち着いて」
真優
「無理!」
流れていく名前。
そして。
『協力キャスト 真優 美優』
真優
「あった!!」
美優
「あった」
二人は思わず立ち上がる。
真優
「名前!」
美優
「載ってる」
雷斗
「おめでとう」
真優
「ありがとう!」
美優
「ありがとう」
その時。
スマホが鳴る。
メッセージ。
玲美愛
『見たーーー!!!!!』
将規
『おめでとう』
龍太郎
『ちゃんと聞こえたぞ』
賢太郎
『夢に近づいたな』
玲美菜
『感動した!』
次々と届くメッセージ。
大阪の仲間たちも見ていた。
真優
「みんな見てくれたんだ」
美優
「嬉しいね」
真優
「うん」
窓の外。
東京の夜景。
まだ新人。
まだ無名。
セリフもほんの一言。
それでも。
確かな一歩だった。
真優
「次は」
美優
「うん」
真優
「もっと大きな役」
美優
「絶対に」
雷斗
「欲張りだな」
真優
「夢だから」
美優
「夢だから」
二人は笑った。
その目には。
新しい目標が映っていた。
そして数日後。
事務所から。
双子の運命を大きく変える知らせが届くことになる。
第45話 完




