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『君の笑顔が可愛すぎで好きだった!』  作者: 優貴(Yukky)


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第32話「それぞれの夢 ― 玲美愛編 ―」

進路希望調査週間。

みんなが夢を語り終えた。

弁護士。

保育士。

モデル。

声優アイドル。

教師。

それぞれの未来。

それぞれの夢。

そして。

残ったのは一人。

玲美愛だった。

昼休み。

玲美愛

「……」

珍しく静かだった。

龍太郎

「どうした」

玲美愛

「夢がない」

真優

「まだ気にしてたんだ」

美優

「珍しい」

玲美愛

「みんなあるじゃん」

将規

「まあな」

玲美愛

「私だけない」

少しだけ寂しそうだった。

普段は明るい。

いつも笑っている。

だけど。

将来のことになると。

急に不安になる。

放課後。

玲美愛は一人で校内を歩いていた。

進路希望調査。

提出期限は明日。

でも。

何を書けばいいのか分からない。

その時。

「きゃっ!」

小さな声。

振り向く。

そこには。

泣いている小さな女の子。

玲美愛

「どうしたの?」

女の子

「お、お母さんが……」

どうやら保護者会で来ていた親とはぐれたらしい。

玲美愛

「大丈夫だよ!」

女の子

「……」

玲美愛

「お姉ちゃんに任せて!」

満面の笑顔。

女の子は少し安心した。

手をつなぐ。

一緒に校内を探す。

玲美愛

「好きな食べ物は?」

女の子

「オムライス」

玲美愛

「私も好き!」

女の子

「ほんと?」

玲美愛

「ほんと!」

少しずつ笑顔になる。

そして数分後。

母親

「○○!」

女の子

「お母さん!」

再会。

母親は何度も頭を下げた。

母親

「ありがとうございました」

玲美愛

「大丈夫です!」

女の子

「ありがとう!」

その笑顔を見た瞬間。

玲美愛の胸が少し温かくなった。

その日の帰り道。

龍太郎

「遅かったな」

玲美愛

「あのね!」

今日の出来事を全部話した。

龍太郎は黙って聞く。

そして。

龍太郎

「楽しそうだったな」

玲美愛

「え?」

龍太郎

「話してる時」

玲美愛

「そうかな」

龍太郎

「ああ」

少し考える。

そして。

龍太郎

「人を笑顔にする仕事」

玲美愛

「?」

龍太郎

「向いてるんじゃないか」

玲美愛

「私が?」

龍太郎

「ああ」

玲美愛は立ち止まった。

人を笑顔にする。

それは。

昔から好きだった。

誰かが笑うと。

自分も嬉しくなる。

誰かが元気になると。

もっと頑張りたくなる。

その夜。

進路希望調査。

玲美愛はペンを握る。

そして書いた。

『イベント・エンターテインメント関係』

人を笑顔にする仕事。

具体的にはまだ分からない。

でも。

進みたい方向は見えた。

翌日。

教室。

真優

「書けた?」

玲美愛

「書けた!」

美優

「何になりたいの?」

玲美愛

「みんなを笑顔にする仕事!」

将規

「玲美愛らしいな」

賢太郎

「確かに」

玲美菜

「ぴったり」

龍太郎

「だな」

玲美愛は笑った。

まだ夢の形は曖昧。

だけど。

初めて未来が楽しみになった。

それで十分だった。

こうして。

全員の夢が出そろった。

それぞれ違う。

それぞれの道。

だけど。

みんな同じように前を向いていた。

第32話 完

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