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『君の笑顔が可愛すぎで好きだった!』  作者: 優貴(Yukky)


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第27話「それぞれの夢 ― 賢太郎編 ―」

金曜日。

ホームルーム。

先生

「来週の進路学習で使う」

生徒たちに紙が配られる。

先生

「将来の夢や目標を書いて提出しろ」

教室がざわつく。

玲美愛

「無理!」

龍太郎

「まだ何も書いてないだろ」

玲美愛

「だから無理!」

真優

「意味分からない」

美優

「いつも通り」

教室に笑いが起こる。

一方。

賢太郎。

配られた紙を見つめていた。

将来の夢。

書く内容は決まっていた。

でも。

少しだけ迷っていた。

放課後。

帰り道。

将規

「賢太郎は何書くんだ?」

賢太郎

「……」

将規

「?」

賢太郎

「弁護士」

将規

「へぇ」

真優

「すごい」

美優

「賢太郎らしい」

玲美菜も少し驚いていた。

玲美菜

「初めて聞いたかも」

賢太郎

「話したことなかったからな」

将規

「何で弁護士なんだ?」

賢太郎は少し考える。

そして。

賢太郎

「兄貴の影響」

将規

「兼次郎さん?」

賢太郎

「ああ」

その日の夜。

賢太郎の家。

兼次郎

「弁護士?」

賢太郎

「ああ」

兼次郎

「俺みたいになりたいのか?」

賢太郎

「少し違う」

兼次郎

「ほう」

賢太郎

「兄貴みたいに人を助けられる人になりたい」

兼次郎

「……」

珍しく黙る。

賢太郎

「どうした」

兼次郎

「いや」

少し照れくさそうだった。

兼次郎

「そんな立派なもんじゃない」

賢太郎

「でも」

兼次郎

「?」

賢太郎

「俺が小学生の時」

賢太郎

「いじめ問題で相談に乗ってくれた」

兼次郎

「覚えてたのか」

賢太郎

「当たり前だ」

あの日。

誰にも言えなかった悩み。

兄だけが真剣に聞いてくれた。

その背中が。

ずっと格好良かった。

兼次郎

「そうか」

賢太郎

「だから目指したい」

兼次郎は少し笑う。

兼次郎

「なら頑張れ」

賢太郎

「ああ」

兼次郎

「ただし」

賢太郎

「?」

兼次郎

「俺より上を目指せ」

賢太郎

「当然」

兄弟は笑った。

翌日。

学校。

進路希望調査。

賢太郎は迷わず書いた。

『弁護士』

その文字を見て。

少しだけ胸が熱くなる。

まだ遠い夢。

でも。

確かに進みたい未来だった。

教室。

将規

「書けたか?」

賢太郎

「ああ」

将規

「何になりたい?」

賢太郎

「弁護士」

将規

「絶対なれると思う」

賢太郎

「そうか?」

将規

「ああ」

真優

「私もそう思う」

美優

「向いてる」

玲美菜

「きっとなれるよ」

賢太郎は少し照れた。

夢はまだ先。

だけど。

その一歩は。

もう始まっていた。

第27話 完

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