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『君の笑顔が可愛すぎで好きだった!』  作者: 優貴(Yukky)


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第14話「真優の本音」

文化祭まで、あと八日。

土曜日。

文化祭準備のため登校日。

朝から校内は賑やかだった。

玲美愛 「あと一週間!」

龍太郎 「毎日言ってるな」

玲美愛 「だってワクワクするじゃん!」

将規 「俺は胃が痛い」

玲美愛 「恋する男子高校生」

将規 「違う」

龍太郎 「否定弱いぞ」

教室に笑いが広がる。

午前中。

準備作業。

看板の仕上げ。

教室装飾。

最終確認。

文化祭が近づいていることを誰もが実感していた。

昼休み。

将規が飲み物を買いに行こうとすると。

真優 「あ」

将規 「ん?」

真優 「私も行く」

将規 「おう」

二人で教室を出る。

廊下。

階段。

自販機。

文化祭準備中だからか、人は少ない。

真優 「最近さ」

将規 「うん」

真優 「将規と二人で話すの久しぶり」

将規 「そうかもな」

真優 「美優といること多かったし」

将規 「偶然だろ」

真優 「分かってる」

笑う。

でも少しだけ寂しそうだった。

ジュースを買う。

ベンチに座る。

秋の風が吹いていた。

真優 「ねえ」

将規 「ん?」

真優 「私ね」

真優は缶ジュースを見つめる。

少しだけ言葉を探していた。

真優 「昔から負けず嫌いなんだ」

将規 「知ってる」

真優 「知ってるか」

将規 「かなり」

真優は笑った。

真優 「勉強も」

真優 「運動も」

真優 「ゲームも」

真優 「全部勝ちたかった」

将規 「うん」

真優 「でも」

少しだけ表情が変わる。

真優 「今回だけは違う」

将規 「?」

真優 「美優に勝ちたいわけじゃない」

将規は黙って聞く。

真優 「もちろん選ばれたい」

真優 「一番になりたい」

真優 「でも」

真優 「美優を負かしたいわけじゃない」

静かな声だった。

真優 「だって双子だから」

真優 「ずっと一緒だったから」

真優 「大好きだから」

将規は何も言わない。

真優 「だからね」

将規 「うん」

真優 「文化祭が終わっても」

真優 「三人で笑える未来だったらいいなって思う」

将規の胸が少し痛む。

それは。

一番難しい願いだった。

真優 「無理かもしれないけどね」

将規 「……」

真優 「でも願っちゃう」

苦笑する。

将規 「真優」

真優 「ん?」

将規 「優しいな」

真優は目を丸くする。

そして。

真優 「それ今言う?」

将規 「思ったから」

真優 「反則」

将規 「何が」

真優 「そういうところ」

顔を赤くしながら言う。

しばらく二人で笑った。

久しぶりに。

本当に自然な笑顔だった。

教室へ戻る途中。

真優が立ち止まる。

真優 「将規」

将規 「ん?」

真優 「もし」

将規 「?」

真優 「もし私が選ばれなかったとしても」

将規は息を呑む。

真優 「ちゃんと笑うから」

将規 「……」

真優 「泣くかもしれないけど」

真優 「ちゃんと笑う」

少しだけ震える声。

将規 「そんな話するなよ」

真優 「ごめん」

真優は笑った。

でも。

少しだけ無理をしているように見えた。

その日の帰り。

将規は一人で歩きながら考える。

美優の言葉。

真優の言葉。

二人とも優しい。

二人とも本気だ。

だから苦しい。

文化祭まで、あと八日。

将規はまだ答えを見つけられない。

けれど。

胸の奥では確かに何かが形になり始めていた。

それはまだ小さな感情。

だが。

もう無視できないほど大きくなりつつあった。

第14話 完

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