表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『君の笑顔が可愛すぎで好きだった!』  作者: 優貴(Yukky)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

313/434

第13話「二人だけの放課後」

文化祭まで、あと九日。

金曜日。

放課後。

文化祭準備。

教室は相変わらず慌ただしい。

真優 「将規!」

将規 「今度は何だ!」

真優 「手伝って!」

美優 「私も」

将規 「だから一人ずつ!」

玲美愛 「通常運転だね」

龍太郎 「平和だな」

二人は笑っていた。

準備終了。

夕方。

生徒たちが帰り始める。

将規も荷物をまとめる。

すると。

美優 「将規」

将規 「ん?」

美優 「少し残れる?」

将規 「残れるけど」

真優 「あ」

美優 「教室の装飾確認」

真優は少しだけ察した。

そして笑う。

真優 「じゃあ私は先帰る」

将規 「いいのか?」

真優 「今日はね」

そう言って手を振った。

教室。

生徒はいない。

窓から夕日が差し込む。

静かな空間。

美優 「終わったね」

将規 「まだ文化祭は終わってない」

美優 「準備はね」

将規 「確かに」

二人は教室を見回す。

みんなで作った装飾。

ポスター。

看板。

思い出が詰まっていた。

美優 「文化祭終わったら」

将規 「うん」

美優 「この教室も元に戻るんだね」

将規 「そうだな」

美優 「少し寂しい」

将規は頷く。

しばらく沈黙。

夕日が机を照らす。

その時。

美優が小さく笑った。

美優 「ねえ」

将規 「ん?」

美優 「覚えてる?」

将規 「何を」

美優 「一年の時」

将規は首を傾げる。

美優 「雨の日」

将規 「雨?」

美優 「傘忘れた日」

将規 「あっ」

思い出した。

確か一年生の春。

急な雨。

将規が傘を貸した。

それだけの出来事。

将規 「覚えてる」

美優 「本当に?」

将規 「さすがに」

美優は少し嬉しそうだった。

美優 「あの日」

将規 「うん」

美優 「初めてちゃんと話した」

将規 「そうだったな」

美優 「将規は覚えてないと思ってた」

将規 「覚えてるよ」

美優は静かに笑う。

美優 「私ね」

将規 「?」

美優 「あの日から少しずつ好きになった」

将規は息を呑む。

突然だった。

でも。

美優の目は真剣だった。

美優 「だから」

美優 「文化祭まで後悔したくない」

将規 「……」

美優 「結果がどうなっても」

美優 「ちゃんと伝えたい」

静かな声。

でも。

強い気持ちが込められていた。

将規 「美優」

美優 「うん」

将規 「ありがとう」

それしか言えなかった。

美優 「ふふ」

将規 「?」

美優 「将規らしい」

少し笑う。

いつもの穏やかな笑顔だった。

帰り道。

駅前。

美優 「じゃあね」

将規 「また月曜日」

美優 「うん」

手を振る。

別れ際。

美優は少しだけ振り返った。

美優 「将規」

将規 「ん?」

美優 「私は待つから」

将規 「……」

美優 「ちゃんと答えが出るまで」

そう言って笑った。

夜。

将規の部屋。

ベッドに横になる。

今日の会話を思い出す。

一年生の雨の日。

初めての会話。

少しずつ積み重なった時間。

将規 「……」

胸が苦しい。

嬉しい。

でも。

苦しい。

真優との思い出も。

美優との思い出も。

どちらも大切だから。

文化祭まで、あと九日。

将規は初めて気付く。

答えを出すのが怖いのではない。

答えを出した後が怖いのだと。

第13話 完

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ