表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『君の笑顔が可愛すぎで好きだった!』  作者: 優貴(Yukky)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

307/434

第7話「答えの欠片」

文化祭まで、あと十五日。

金曜日。

朝。

将規は珍しく寝不足だった。

玲美愛 「おはよー……って」

龍太郎 「ひどい顔だな」

将規 「うるさい」

玲美愛 「徹夜?」

将規 「違う」

龍太郎 「恋煩いか」

将規 「黙れ」

図星だった。

真優と美優。

二人の言葉が頭から離れない。

授業中。

先生 「石川」

将規 「はい!?」

教室が笑う。

先生 「聞いてたか?」

将規 「すみません」

玲美愛 「重症」

龍太郎 「重症」

将規 「後で覚えてろ」

昼休み。

屋上。

今日は珍しく将規一人だった。

風が気持ちいい。

空が高い。

将規 「……」

考える。

真優。

美優。

どちらといる時も楽しい。

どちらも大切。

でも。

それだけじゃ駄目だ。

兄の言葉が頭をよぎる。

――一緒にいたい人を選べ。

将規 「分からないんだよな」

ため息。

その時。

ガチャ。

屋上の扉が開く。

真衣だった。

真衣 「やっぱりいた」

将規 「またお前か」

真衣 「失礼」

将規 「何しに来た」

真衣 「サボり」

将規 「真面目に言え」

真衣 「半分本当」

二人は並んでフェンスにもたれた。

真衣 「悩んでる?」

将規 「見れば分かるだろ」

真衣 「分かる」

即答だった。

将規 「最近みんなそれ言うな」

真衣 「顔に出るから」

将規 「そんなにか」

真衣 「そんなに」

将規は肩を落とした。

しばらく沈黙。

風だけが吹く。

真衣 「ねえ」

将規 「ん?」

真衣 「将規はさ」

将規 「うん」

真衣 「二人のどこが好きなの?」

将規 「……え?」

予想外だった。

真衣 「好きなんでしょ」

将規 「まあ」

真衣 「じゃあ教えて」

将規は困る。

でも。

少し考えて答える。

将規 「真優は」

真衣 「うん」

将規 「一緒にいると笑える」

真衣 「なるほど」

将規 「落ち込んでても元気になる」

真衣は静かに聞く。

将規 「美優は」

真衣 「うん」

将規 「落ち着く」

将規 「何でも話せる」

将規 「無理しなくていい感じがする」

真衣は頷く。

真衣 「じゃあ」

将規 「?」

真衣 「どっちといる時が自然?」

将規は言葉に詰まる。

真衣 「それが難しいんだよね」

苦笑した。

将規 「分かってるなら聞くな」

真衣 「ごめん」

全然悪そうじゃなかった。

その時だった。

チャイム。

昼休み終了。

真衣 「戻ろ」

将規 「ああ」

歩き出す。

すると。

真衣が立ち止まる。

将規 「?」

真衣 「将規」

将規 「ん?」

真衣 「答えってさ」

将規 「うん」

真衣 「急に見つかることもあるよ」

将規 「そんな都合よく?」

真衣 「意外とね」

意味深な笑顔。

そして先に歩いていった。

放課後。

文化祭準備。

体育館。

将規は脚立の上で飾り付けをしていた。

その時。

下から真優の声。

真優 「将規ー」

将規 「ん?」

真優 「右!」

将規 「おう」

次の瞬間。

反対側から美優。

美優 「少し左」

将規 「どっちだよ!」

真優 「右!」

美優 「左!」

将規 「喧嘩するな!」

周囲は大爆笑。

真優も。

美優も。

結局笑っていた。

その笑顔を見た時。

将規の胸の中に。

小さな何かが生まれた。

まだ形にならない。

でも。

確かに存在する。

答えの欠片。

そんな気がした。

文化祭まで、あと十五日。

将規の心は少しずつ。

本当に少しずつ。

未来へ向かって動き始めていた。

第7話 完

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ