表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『君の笑顔が可愛すぎで好きだった!』  作者: 優貴(Yukky)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

305/434

第5話「真優の誘い」

文化祭まで、あと十七日。

水曜日。

放課後。

実行委員会も終わり、将規は荷物をまとめていた。

将規 「今日は早く帰れそうだな」

玲美愛 「フラグ」

龍太郎 「完全にフラグ」

将規 「何がだよ」

その時。

真優 「将規」

将規 「ん?」

真優が机の横まで来る。

どこか緊張している。

将規 「どうした?」

真優 「少し時間ある?」

将規 「あるけど」

真優 「じゃあ」

一度深呼吸。

真優 「寄り道しない?」

将規 「寄り道?」

真優 「うん」

玲美愛 「おお」

龍太郎 「おお」

将規 「うるさい」

二人はニヤニヤしていた。

学校を出る。

二人で歩く。

夕方の街。

真優 「なんか久しぶりだね」

将規 「そうか?」

真優 「二人きりは」

将規は少し考える。

確かに。

最近は美優も一緒だった。

真優と二人だけは久しぶりだった。

将規 「そうだな」

真優 「でしょ」

少し嬉しそうに笑う。

向かった先は公園だった。

ブランコ。

滑り台。

小学生の頃を思い出すような場所。

真優 「座ろ」

将規 「おう」

ブランコに腰掛ける。

風が気持ちいい。

真優 「ねえ」

将規 「ん?」

真優 「私さ」

将規 「うん」

真優 「最近ちょっと焦ってた」

将規は黙る。

真優は前を向いたまま話す。

真優 「文化祭まで一か月って決めたでしょ」

将規 「ああ」

真優 「決めたの私たちなのに」

真優 「気付いたら毎日カウントしてた」

将規 「……」

真優 「あと何日」

真優 「あと何日」

真優 「そんなことばっかり」

少し笑う。

でも。

その笑顔は少し寂しかった。

将規 「真優」

真優 「ん?」

将規 「不安か」

真優 「うん」

即答だった。

将規は驚く。

真優は強い。

いつも明るい。

だからこそ。

素直な本音が珍しかった。

真優 「怖いよ」

真優 「もし選ばれなかったらって」

将規 「……」

真優 「平気な顔してるけど」

真優 「全然平気じゃない」

静かな声だった。

しばらく沈黙。

ブランコが小さく揺れる。

真優 「でもね」

将規 「?」

真優 「後悔はしたくない」

将規を見る。

まっすぐ。

逃げない目。

真優 「だから今日は誘った」

将規 「そうか」

真優 「うん」

真優 「将規」

将規 「ん?」

真優 「私ね」

少し照れながら笑う。

真優 「将規といる時の自分が好き」

将規は目を見開く。

真優 「笑えるし」

真優 「楽しいし」

真優 「頑張ろうって思える」

風が吹く。

夕陽が二人を照らす。

真優 「だから」

真優 「文化祭まで」

真優 「ちゃんと私を見て」

将規 「……」

真優 「美優だけじゃなくて」

真優 「私も」

将規は答えられない。

でも。

真優の言葉はしっかり届いていた。

帰り道。

駅前。

真優 「今日はありがと」

将規 「こっちこそ」

真優 「少しスッキリした」

将規 「ならよかった」

真優は笑う。

いつもの笑顔。

でも。

前より少しだけ大人びて見えた。

真優 「じゃあまた明日」

将規 「おう」

手を振って別れる。

その夜。

将規の部屋。

ベッドに寝転ぶ。

真優の言葉を思い出す。

――将規といる時の自分が好き。

将規 「……」

胸がざわつく。

嬉しかった。

それは間違いない。

だが。

同時に。

美優の顔も浮かぶ。

将規 「本当に難しいな」

誰もいない部屋で呟く。

文化祭まで、あと十七日。

真優の想いは。

確実に将規の心へ届いていた。

第5話 完

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ