第3章「文化祭と、恋の結末」 第1話「文化祭実行委員会」
「今度の日曜日空いてる?」
将規 「たぶん」
真優 「じゃあ付き合って」
将規 「どこに」
真優 「買い出し」
将規 「文化祭の?」
真優 「うん」
すると。
美優 「私も行く」
真優 「聞いてた?」
美優 「聞こえた」
将規 「聞こえる距離だろ」
二人は顔を見合わせる。
そして。
真優 「勝負だね」
美優 「そうだね」
将規 「何のだよ」
真優 「秘密」
美優 「秘密」
将規 「嫌な予感しかしない」
その頃。
校舎の別棟。
真衣は窓際に立っていた。
スマホを見る。
そこには一通のメッセージ。
送り主は兄だった。
『文化祭、帰れるかもしれない』
真衣 「え……?」
思わず声が漏れる。
兄は大学進学で遠方に住んでいる。
最近はほとんど会っていない。
真衣 「帰ってくるの……?」
少しだけ嬉しい。
だが同時に。
別の感情もあった。
兄は昔から鋭い。
自分が隠していることも見抜く。
真衣 「困ったな……」
小さく笑う。
翌日。
昼休み。
玲美愛 「文化祭まであと三週間!」
龍太郎 「カウントダウン始めるな」
玲美愛 「だって盛り上がるじゃん!」
将規 「盛り上がってないの俺だけだろ」
真優 「たしかに」
美優 「同意」
将規 「お前らな」
久しぶりに笑いが起きる。
でも。
誰も知らない。
この文化祭が。
ただの学校行事では終わらないことを。
それぞれの恋。
それぞれの覚悟。
そして将規の答え。
全てがそこへ向かって動き始めていた。




