表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『君の笑顔が可愛すぎで好きだった!』  作者: 優貴(Yukky)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

299/434

第99話「三人の土曜日」

土曜日。

朝八時。

学校。

休日なのに校舎には文化祭準備のため、生徒たちが集まっていた。

将規 「眠い……」

真優 「同感」

美優 「あと一時間寝たかった」

珍しく三人の意見が一致する。

実行委員長 「おはよう!」

将規 「元気だな……」

委員長 「若いからね!」

将規 「同い年ですよね?」

委員長は聞こえないふりをした。

午前中。

三人の担当は体育館の装飾準備。

脚立。

段ボール。

色紙。

風船。

やることは意外と多い。

真優 「将規、そのテープ」

将規 「ほい」

美優 「こっちのハサミ取って」

将規 「ほい」

真優 「便利」

美優 「便利」

将規 「人を道具みたいに言うな」

二人が少し笑う。

その笑顔を見て、将規も少し安心した。

最近はこういう時間が少なかった。

昼休憩。

中庭のベンチ。

三人でコンビニのおにぎりを食べる。

真優 「なんかさ」

将規 「ん?」

真優 「久しぶりだね」

美優 「確かに」

将規 「何が」

真優 「普通に話すの」

将規は少し黙る。

確かにそうだった。

文化祭の期限を決めてから。

三人とも、どこかぎこちなかった。

美優 「でも」

真優 「うん」

美優 「こういう時間も嫌いじゃない」

将規 「……」

真優 「私も」

少しだけ。

本当に少しだけ。

以前の空気が戻った気がした。

午後。

体育館。

脚立の上で飾り付けをしていた真優が声を上げる。

真優 「あっ」

グラッ。

バランスを崩す。

将規 「危ない!」

反射的に駆け寄る。

真優 「きゃっ!」

将規が支える。

落下はしなかった。

静寂。

真優 「……」

将規 「大丈夫か?」

真優 「う、うん」

顔が赤い。

将規も少し気まずい。

すると。

美優 「よかった」

ほっとした声。

でも。

少しだけ寂しそうだった。

将規はその表情を見逃さなかった。

夕方。

作業終了。

校門へ向かう三人。

空はオレンジ色だった。

真優 「疲れたー!」

将規 「同感」

美優 「今日はよく働いた」

その時。

真優が立ち止まる。

真優 「ねえ」

将規 「ん?」

真優 「来週も準備あるよね」

美優 「あるね」

真優は少し笑う。

真優 「楽しみかも」

将規は驚いた。

真優 「だって」

真優 「こういう時間、好きだから」

美優も小さく頷く。

美優 「私も」

将規は何も言えない。

ただ。

胸の奥が少しだけ温かくなった。

その頃。

校舎の二階。

窓から三人を見ている人物がいた。

真衣。

真衣 「楽しそうだね」

小さく呟く。

でも表情は複雑だった。

真衣 「本当に、それで終わるのかな」

風が吹く。

文化祭まで、あと二十三日。

そして真衣もまた。

静かに動き始めようとしていた。

第99話 完。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ